2017.11.13

郊外か都心か?を再考する

皆様こんにちは。

本日は11月4日(土)の「日本経済新聞」の記事から、下記の記事をご紹介させて頂きます。

「郊外に住みたい」後押し

すし詰め電車の通勤風景が大都市で登場したのは、1960年代の高度経済成長期以降だ。
郊外に住宅が大量供給され、長時間通勤は当たり前になった。
国土交通省によると75年度の東京圏の通勤時間帯の平均混雑率は221%と、車内は身動きできない状態だった。
それから40年後の2016年度は165%。車両の大型化や増発により改善したものの、なお「痛勤」の状態は変わらない。

その負担を避けようと、ここ数年は職住近接を志向した都心回帰の流れが強まっていた。
バブル後の地価下落が追い風だったものの、ここに来て都心の地価は再び高騰している。
不動産経済研究所(東京・新宿)によると16年の東京23区の新築マンションの平均価格は6629万円。
12年時点に比べると25%も上がり、一般的な会社員では手が届きにくくなった。

郊外ならまだ手ごろな価格で住宅が手に入る。身近な自然など子育てしやすい環境が残り、「住みたい街」の上位にも郊外が食い込むようになってきた。
通勤改革はそんな風潮を後押しするかもしれない。

いかがでしたでしょうか?

前回、私は、『2極化時代の不動産』という題名で、記事を投稿させて頂きました。

今回は、日経新聞1面の「脱痛勤に処方箋」という記事から、引用しています。

これを読むと、これまでの、「東京」の不動産の変遷が少し分かります。

1960年以降から1990年まで、日本は「土地神話」と呼ばれ、必ず購入した不動産は上昇してきました。

このような背景の中で、高騰する都心に住むことができない、手が届かない、という人たちから、徐々に郊外に移り住むようになりました。

これが、中央線沿線や田園都市線沿線など、山手線から西へ西へと向かう沿線に、高級住宅地が出現していく背景となりました。

かくいう私も、実家は国立と国分寺の間にあり、一時はたまプラーザなど、田園都市線に住んでいたこともあります。

ただし、その当時の通勤の状況たるや、それはそれは地獄だったわけです。

これはもう同じ体験をした方は、言うまでもなく分かって頂けることではありますが、中央線も田園都市線も、それはそれは物凄い乗車率であり、体感としては300%ではないのか?と感じるほどでした。

これを経験した世代やその子供たちほど、都心回帰志向が強まるのは当然といえば当然と言えます。

結果、私は今は港区に住んでいますし、私の知人・友人も、同様に都心に住んでいる人が多いです。

さて、ここで、この記事を再度読み返してみると、この記事の前提には、ある前提がいくつか隠されていることに気が付くことでしょう。

その前提をいくつか申し上げれば、

1つ目は、「マイホームは資産である」という前提。

もう1つは、「郊外でも働くことができればいい」という前提。

そして、「都心は高い。では、高いものは買わない方がいいのか?」という前提です。

もちろん、
「マイホーム」と「投資用不動産」「賃貸用不動産」は、本来比較をしても意味のないものです。

「どうしてもマイホームが欲しいんだ。それが人生の基盤なのだ」という人もいらっしゃいます。

それで、私の親のように、定年後はさらに国分寺から西の八王子に広い一戸建てを購入する、という人おり、またそのような価値観も分かります。

ただし、その不動産が価値を持つのは、
その不動産の周辺に、「大手企業」や「職場」が集中し、
また、一定の娯楽や商業施設が集中し、
適切な医療と飲食店が存在する、というエリアのみだと私は思っています。

今回のこの日経新聞の記事を見て、
ここから郊外への移動が始まるぞ、と考えると失敗します。

これは、人口減少社会の中で、いかに有能な人材(従業員)を確保するか?という、雇用する立場、企業の立場で読む解くべきものです。

有能な人材をできるだけいい条件で確保し、そして、伸び伸びとパフォーマンスを発揮してもらうにはどうするか?

このような意味合いであれば、サテライトオフィスは価値があることですし、本社の移転も結構なことでしょう。

今はインターネットを駆使して、クラウド上で情報共有ができる時代でもあります。

しかしながら、だからと言って、「これからは郊外の土地も価値を持つ」だとか、「地方の不動さんも価値を持つ」と考えるのは早計も総計です。

経済情勢や企業の動向など、イヤーバイイヤーでめまぐるしく変わっていくものですし、
もし万が一、東京という都心に魅力がなくなり、価格が安くなるのであるとしたら、それこそ集中投資のタイミングになるから、です。

私が思うに、「地方」への投資は「投機」です。
そして、都市への投資は「投資」です。

この言葉にピンときた人は、ぜひ私の個別相談会にお申し込みください。