所有者不明の土地 損失6兆円を考える
本日は10月26日(木)の「日本経済新聞」の記事から、下記の記事をご紹介させて頂きます。
死者数が増えるのに伴い相続登記されず実際の所有者が把握できない土地が増えると推計。
こうした所有者不明土地が原因で生じる経済損失額は40年までに6兆円規模に上ると試算した。
「所有者不明土地問題研究会」は6月、現在の持ち主をすぐに特定できない土地が、16年に全国で410万ヘクタールに達するとの試算を公表した。
今回の将来推計は土地の相続候補者へのアンケートを行ったうえで、対策を講じないまま40年まで推移すると仮定して算出した。
16年の所有者不明土地の総面積は九州を上回る規模だが、40年になると北海道本島(約780万ヘクタール)に迫る規模となる計算だ。
また、所有者不明土地が障壁となり、公共事業が停滞したり土地が荒廃したりするなどの経済損失額が16年は約1800億円と試算。
所有者不明土地の増加を踏まえ、17~40年の損失額は少なくとも累計で6兆円に及ぶと見積もった。
研究会座長を務める増田氏は「人口減少で活用されない土地が増え、土地という財産に対する国民の関心も薄れている」と指摘した。
所有者不明土地問題を巡っては、政府は6月にまとめた経済財政運営の基本方針(骨太の方針)で来年の通常国会に対策法案の提出方針を盛り込んだ。
国土交通省は10月25日、利用権を設定して活用する新制度を導入する方針を表明している。
所有者が死亡することで、相続登記がされず、実際の所有者が把握できなくなっている土地が、2040年には、約720万ヘクタールになる、という独自試算を「所有者不明土地問題研究会」が発表しました。
今回はそれを取り上げた記事、ということです。
この720万ヘクタール、という単位が何を現すのか?ということですが、
これは、おおよそ、北海道本島の面積である780万ヘクタール、に匹敵します。
北海道本島に匹敵する面積の土地が、所有者不明!??
私はこの記事を読んだ時、
「ああ、いよいよ土地に価値がなくなる時代が近づいてきているんだな」と思いました。
まさにその言葉が、増田元総務相の「人口減少で活用されない土地が増え、土地という財産に対する国民の関心も薄れている」という言葉に集約されている、と思うのです。
大昔から、日本では、武士や農民が、「一所懸命」ということで、一つの所で、土地を守り、その土地を財産として守っていく、という伝統が根付いていました。
そして、1990年のバブル崩壊までは、実際に、土地は買えば必ず上がるという、
まさに右肩上がりの「神話」になっていたのです。
しかしながら、これからは、(もう既に、多くの識者の方が指摘していますが)「土地」に絶対的な価値がなくなっていく時代です。
これからは、人口が集約していきますので、人口が集約する都市やインフラ・交通が集中しているエリアが、価値を持つようになります。
所有者不明の土地が、2016年度だけでも、既に九州の面積を上回る規模になっている、という実体。(410万ヘクタール)
もう既に、国民の方が、「これからは土地に価値などない」ということを、敏感に感じ取っているのかもしれません。
これからの不動産投資は、まさにこの「土地選別時代の到来」のトレンドの中で、
どのようにして、試算を築いていくのか?に真正面から取り組み、2040年の少子高齢化社会を正しく演繹し、予測し、帰納的に答えを出せた人のみが、勝ち組になっていくことでしょう。
その答えを知りたい!という方は、ぜひ私の個別相談会をご指名ください。