2017.07.27

東京五輪のその後の不動産は???

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皆様こんにちは。

本日は7月23日(月)の「日本経済新聞」の記事から、下記の記事をご紹介させて頂きます。

※「2017年7月23日(月)日本経済新聞 日刊」 抜粋

2020年東京五輪・パラリンピック(総合2面きょうのことば)の開幕まで24日で残り3年となる。競技会場やホテルの建設が急ピッチで進み、官民の投資総額は10兆円を超すとの試算もある。
企業は自動運転車や次世代通信規格など五輪に向けて新技術の開発にしのぎを削る。
前回の東京五輪は新幹線の開通やカラーテレビの普及を促し、敗戦の痛手から国民が立ち直る契機となった。
56年ぶりの東京開催となるスポーツの祭典は成熟社会ニッポンを変革する契機になるだろうか。(関連記事総合5面に)

東京・神宮外苑の新国立競技場の建設地。
約11万平方メートルの敷地に23基のクレーンが並び、工事車両が行き交う。
作業員は常時約800人。
地下の土地を平らにする作業をほぼ終え、8月には地上工事が始まる。

当初は15年10月に着工、19年3月に完成するはずだった。
工費高騰で設計をやり直し、着工が16年12月、完成予定が19年11月にずれ込んだ。
この間降雨が少なく「工事は順調に進んだ」(大成建設JVの伊藤清仁統括所長)。
来年2月には鉄骨と木材を組み合わせた屋根の取り付けが始まる。

新国立の建設費用は1490億円。
バレーボール会場「有明アリーナ」も工事が始まり、会場整備総額は6350億円に上る。
ただ実は公共投資よりも民間が設備に充てる金額がはるかに大きい。
第一生命経済研究所によると五輪を理由に本来予定される設備投資に上乗せする官民の投資総額は11兆6千億円。
政府の年間公共事業費の約2倍にあたり、今後さらに上積みされる可能性がある。

湾岸地区など都心を中心とする再開発は5兆8千億円が見込まれる。
森ビルが虎ノ門地区で進める再開発はオフィスビルや住宅棟を備え、総事業費は4千億円の見通し。
交通網整備には少なくとも3兆7千億円を投じる。

JR東日本は20年春に「品川新駅(仮称)」を暫定開業する。
羽田空港へのアクセスに優れ、近隣の品川駅では27年開業のリニア中央新幹線が乗り入れる予定だ。
競技会場の最寄りとなる原宿駅など7駅でも改良工事を進めている。

ホテルは20年までに国内で6万室以上が開業し、日本経済新聞の試算で総投資額は1兆円近い可能性がある。
森トラストは20年に米大手の最高級ブランドのホテルを都内2カ所に開く。
日本橋などで百貨店も相次ぎ改装。みずほ総合研究所も五輪に伴う民間投資総額を10兆円超と予測する。

1964年の東京五輪は新幹線や首都高速道路の開通、羽田空港の拡張とインフラが一斉に整い、日本選手団の活躍が敗戦からの復興を国民の心に刻んだ。
今回はそこまでの高揚感はないかもしれないが日本の技術力や高品質のサービスを世界に問い直す場になる。

8Kや5Gが実現
20年大会に向けては「8K」の本放送が18年に始まり、現行の100倍の速度となる次世代通信規格「5G(第5世代)」も実現する見通し。
日産自動車は一般道を含めた自動運転の実用化を20年に間に合わせようとしている。

五輪を機に増える投資は企業活動を活発にするだけでなく、競技場を使ったイベントも増やす。
東京都は大会招致が決まった13年から30年までで32兆円の経済波及効果があるとはじき出した。
みずほ総研によると高成長期だった北京などを除きシドニー、アテネなどでは招致決定後の実質国内総生産(GDP)成長ペースが1.3倍になった。

ただ恒常化する人手不足が成長を阻害しかねない。
5月の建設関連職の有効求人倍率は3.53倍。有効求人は約10万5千人で、約7万5千人も不足した。
五輪招致が決まった13年9月時点の2.62倍から上昇傾向が続く。
18年から19年にかけて競技場などの完成が相次ぐこともあり、「労務需給は徐々に逼迫する可能性がある」(清水建設の東出公一郎副社長)。

五輪開催時には外食やサービスで十分な従業員が確保できているかどうかも懸念される。
不足感が解消できなければ日本流の「おもてなし」を最大限に発揮できると言い切れない。
先進国の中で遅れが目立った生産性を技術力でどう克服するかも課題になる。

いかがでしたでしょうか?

東京五輪で、官民の投資総額が10兆円を超える、という記事です。

しかしながら、注目すべきなのはそこではありません。
重要なのは、記事の中にもありますように、東京都の試算です。

これによりますと、大会誘致が決まった2013年から(大会終了後の)2030年までの間に、
『32兆円の経済波及効果がある』と書いてあります。

これの内訳を少し書いてみますと、
東京都は、
2013年から2020年までの8年間で、約21兆円、
2021年から2030年までの10年間で、約11兆円の経済効果、と試算しています。

実は、この32兆円という「東京五輪効果」の試算ですが、
それぞれ、

エリアを「東京」と「全国」で分け、
①直接効果 と 
②レガシー効果
の2種類の切り口で計算しています。

レガシー効果とは何か?と言いますと、
それは、「遺産効果」と呼ばれるものです。

つまり、大会後に続く、「波及効果」のことです。

例えば、これが、ロンドン五輪の場合、大会後10年は続き、
今でもロンドンの不動産価格は高止まりをしています。

実は、先ほどの32兆円の資産の中で面白いのは、
直接的効果とレガシー効果の試算の数字です。

皆様は、直接的効果とレガシー効果、どちらの方の数字の方が大きい、と思われていらっしゃいますか?

よく最近お会いする方の中で、
「東京五輪の後は、不動産価格は下がるんじゃないの?」とおっしゃる方がいらっしゃいます。

恐らく、ですが、その方というのは、直接的効果とレガシー効果、の割合を、
1:9くらいに考えていらっしゃるのでは??と思います(笑)

では、現実の数字はどうなのでしょう?

ここで一度、読むのをやめて、想像してみてください。

想像してみましたか??

それでは、答えを申し上げます。

東京五輪の経済効果、全国で32兆円と言われているその「内訳」は、
直接的効果が約5兆2,000億円、レガシー効果が27兆1,000億円です。

つまり、大会後の経済効果の方が、直接的効果の5倍以上の経済効果がある、ということになります。

また、これを、今度は「全国」から「東京都」だけに絞った場合、
東京都における五輪の「直接的効果」は3兆3,000億円。
同乗の、東京都における五輪の「レガシー効果」は、17兆1,000億円となり、
合計で20兆4,000億円(32兆円の60%)となります。

ここでも、
直接的効果:レガシー効果=1:5 となり、
大会後の経済効果の方がダンゼン大きい、ということが分かります。

ただし、昔からの格言で、
「人の行く裏に道あり花の山」と呼ばれるように、
多くの人が「五輪後には下がる」と思っているからこそいい、ということも言えます。

そもそも、もうかれこれ、5年も6年も前から、
「金利がこれから上がる。なぜならば、今はゼロ金利だから」と言っている人がいましたが、
そこから4年、5年経ち、まさか「マイナス金利」が導入される、とは思っていなかったのではないでしょうか?

このように、「投資」というものは、「多数決」や「ムード」で正解が決まるわけではありません。

しかしながら、多くの人は、「多数決」や「ムード」や「好き嫌い」で選考し、
投資判断をしたり、投資を見送ったりしてしまいます。

だからこそ、
昔から、
投資で勝てる人は5%、負ける人は95%、

と言われているのだと思います。

では、このような時代の中で、長期的に見ても「有用性の高い投資」とは、どのようなものでしょうか?

その答えは、個別相談会の中でお伝えしています。

その答えを知りたい方、最適解をお知りになられたい方は、
ぜひお気軽にお問い合わせください。