2017.06.21

金利上昇のリスク

融資を活用して不動産投資を検討されている方にとっては、金利上昇はリスクと考えられている方が多いのではないでしょうか。

今回は最近、政策金利の利上げを行ったメキシコの例を見ながら、検証してみましょう。

以下記事より抜粋

メキシコ銀行(中央銀行)は9日、政策金利を0.50%引き上げ、年6.25%にすると決めた。

トランプ米大統領が打ち出した北米自由貿易協定(NAFTA)見直しによる経済の不透明感などで通貨ペソが下落し、物価上昇も加速しているためだ。

金融引き締めで景気減速にさらに拍車がかかる恐れもあり、通貨防衛優先の苦渋の利上げだ。   

利上げは昨年以降6度目で政策金利は2009年春の水準まで戻った。

通貨ペソの対ドル相場は昨年4月には1ドル=17ペソ台だったが、政府債務の膨張懸念や米利上げ、トランプ氏当選などを背景に今年1月には一時22ペソ台に下落。

足元でも20ペソ台で推移する。

利上げは昨年以降6度目で政策金利は2009年春の水準まで戻った。

通貨ペソの対ドル相場は昨年4月には1ドル=17ペソ台だったが、政府債務の膨張懸念や米利上げ、トランプ氏当選などを背景に今年1月には一時22ペソ台に下落。足元でも20ペソ台で推移する。

ペソ安は物価を押し上げている。代表的なのがガソリンだ。メキシコは産油国だが、精製設備の不足などもあり需要の半分以上を輸入に頼る。政府は今年1月から約2割値上げ。

2月初旬からの実施は見送ったが、中旬以降の値上げは必至だ。

ガソリンを起点に物流費などモノやサービスの価格が全般的に上昇。

1月のインフレ率は4.72%とメキシコ銀が目標にする3%を大きく超えている。
民間機関は今年は4%台と予想する。

今回の利上げの要因としては、トランプ大統領が勝利したことにより通貨安に見舞われたこと、それに伴いエネルギーの大半を輸入に頼っているメキシコはガソリン価格の大幅な引き上げにも見舞われたことで、インフレ率が上昇したことに端を発しているとの事です。

メキシコ中央銀行はガソリン価格上昇による影響が消費者物価全体に及ぶのを防ぐと同時に「インフレ期待を抑制するために」政策金利の引き上げを実施したと述べています。

メキシコ政府が目標としているインフレ率は3%。しかし上記のガソリン価格上昇を期に、4.72%までインフレ率が上昇してしまったという背景があるようです。

さて融資を活用しての不動産投資をご検討されている方は「金利上昇」は自分では操作ができないリスクと感じられている方も多いのではとお察しいたします。

確かに、金利が上昇して、毎月の収支に影響が生じると皆様の投資計画に支障を来してしまいますよね。

しかし、金利のみが上昇するという事は起こるのでしょうか?

今回のメキシコの例もそうですが、あくまでも利上げは「対策」であって、何に対しての対策であるかというと、それは「インフレ抑制」であると読み取れます。

金利が上昇するということは、物価の上昇が伴っていることではないでしょうか?

厳密にお伝えすると現金価値が目減りではございますが、金利上昇=物価の上昇=不動産価格上昇という方程式が成り立つのではないでしょうか。

日銀は物価上昇率を安定的に2%にするという目標を掲げ、量的質的金融緩和政策を導入しております。

物価の基調は着実に高まっているものの目標の2%程度に到着するのは2017年前半ごろになる見込みとの事です。

日本人の現金主義の考えはまだまだ根底に根付いているようですが、預金を崩しながらの生活もインフレ局面ではご自身では気づかぬ内にリスクが発生している事をお考えの一つに入れて頂きたいと考えております。

インフレに強い不動産を今後の資産形成の一つに柱としてご検討されてはいかがでしょうか。