2017.05.17

五輪後の東京のオフィス床面積

注目エリア
日本最大のオフィス街である東京駅周辺では、2000年代に丸の内から始まった大型再開発の波が、大手町、八重洲、そして東京駅北側の常盤橋エリアへと広がっています。

これらの大型再開発は、2020年の東京五輪後に完成を予定しているものが多く、2020年代後半には、東京駅周辺の街並みは大きく変貌を遂げることになります。

大手町では2016年4月、三菱地所が手がけた超高層複合ビル「大手町フィナンシャルシティ グランキューブ」が完成しました。

オフィスフロアはソニー生命保険や三菱UFJモルガン・スタンレー証券、協和発酵キリン、野村総合研究所などが入居し、満室の状態で稼働する予定だ。

同再開発の別棟として7月に開業する日本旅館「星のや東京」も話題になっています。

近隣では、同じく三菱地所が開発する大手町パークビルディングや、三井不動産と三井物産による2棟の超高層オフィスビル計画が進行中。

4月には、大手町1丁目にある丸紅東京本社ビルの建て替え計画も明らかになりました。

丸紅は2015年に完成した東京日本橋タワーに仮移転し、2020年をめどに再び大手町に戻ります。

28年までに街が一つ増えるほどの大量供給

再開発計画の中で特に突出した高さとなるのは、東京駅北側の日本橋口正面で三菱地所が進める常盤橋街区再開発プロジェクトです。

高さ約390m、地上61階建ての複合ビルは、完成すれば日本一の高さとなります。

2021年度から2027年度にかけて段階的に完成し、総延べ床面積は約68万m2(平方メートル)になります。

八重洲口側に計画されている3棟の超高層ビルも目を引きます。

三井不動産や東京建物などによる再開発で、高さ250m前後のビルとなります。

延べ床面積の合計は約94万m2に及び、地下部分には合計約1万9000m2のバスターミナルも整備されます。

八重洲ではこのほかに、住友不動産を中心にした八重洲富士屋ホテル跡地などの再開発計画も進んでいます。

現在は中小ビルが立ち並んでいる東京駅八重洲口付近のスカイラインは、今後、劇的に変化することになります。

オフィス仲介大手の三幸エステートの調べによると、丸の内・大手町・八重洲・京橋・日本橋の主要エリアで2016年~2028年に完成する賃貸ビルのオフィス床面積は合計約62万5000坪(約206万m2)。

これは新丸の内ビルディング約25棟分に相当する大量供給です。

一方、同エリアにある既存賃貸オフィスビルのストックは106万6000坪(約352万m2)。

今後老朽化して解体されるビルもあることを考慮すると、東京駅周辺のオフィス床面積は、ざっと見積もって十数年後には今の5割増しになります。

同社の調査では、新橋・虎ノ門エリアの既存ストックは約58万坪(約190万m2)、西新宿エリアは同約54万坪(約178万m2)です。

東京駅周辺の開発は、これらのオフィス街が丸ごと増えるのと同じぐらいのインパクトがあるといえるでしょう。

これからの東京が、今からとても楽しみではないですか?