表面利回りと実質利回り
表面利回り(グロス利回り)とは「粗利」のことです。
計算式とすれば「表面利回り=年間収入÷物件価格×100」となります。
具体的にいえば1億円の投資物件で家賃収入が年間1000万円だったとすればこれは表面利回り10%の物件となります。
しかし、ご存じの通り不動産には税や維持費などが発生します。
表面利回りにはこれらランニングコストは含まれておらず、しかも満室状態での利回りであることは要注意です。
実質利回りは経費を引いたものです。
ネット利回りとも呼ばれています。
表面利回りが購入金額と家賃収入のみの粗利なら、この実質利回りは購入時や年間の諸経費も加味した利回りと考えるといいでしょう。
具体的な計算式とすれば次のようになります。
「実質利回り=(年間収入-諸経費)÷(物件価格+諸経費)×100」。
先に一例とした1億円の物件で年間1000万の家賃収入があるなら購入時の諸経費が200万で年間の維持諸経費が200万だったとします。
(1千万-200万)÷(1億円+200万)×100
実質利回りは7.8%となるわけです。
先に上げた表面利回りより2.2ポイントも下がりかなり大きい差異です。
不動産投資ではこの表面利回りより実質利回りが重要なのです。
しかもこの実質利回りは一般的には毎年変化します。
なぜなら、どのくらい空室が起こるかによって収入部分が変わるからです。
ですので、本当の手取りはこの実質利回りよりさらに下がることもあります。
実質利回りにおける諸経費とは実質利回りの諸経費は、不動産購入時の諸経費と年間維持諸経費とに大きく二つに分かれます。
物件購入時の諸経費としては、不動産取得税・登記印紙代・司法書士手数料・仲介手数料などが上げられます。
また維持にかかる諸経費としては、固定資産税・都市計画税・共有部分の修繕費・建物全体の火災保険料・などです。これらは毎年など定期的に発生する経費です。
またアパートやマンション経営では空室になる場合もあるでしょう。
諸経費には入らないが空室にて家賃収入の下落、また不動産投資の市況の変化により家賃の切り下げを余儀なくされることもあります。
そのような事態でもやはり実質利回りは下がってしまうのです。
不動産投資を成功させる利回りの考え方
よく広告などで利回り15%といっても実質利回りはずっと下がりますし、場合によっては半分以下になるケースも少なくありません。
利回りは投資物件を選択する際には、使い勝手の良い指標となりますが、あくまで一つの指標であることを忘れないことが重要です。
このように書いてしまうと、なんだか不動産投資は危険なのではないか。と思われてしまうかもしれません。
たしかに、利回りばかりに気を取られ不動産投資を始めた結果、失敗してしまっている方も大勢いることは事実です。
では、失敗しないためのポイントはいったいどこにあるのか?
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