高所得者、負担一段と
なかでも年収1000万円を超す会社員は1月から所得税が重くなり、1200万円超の場合は6月から地方税も増税になる。
高所得者の多くは給料が増えても「手取り増」を実感できない可能性がある。
■給与所得控除が縮小
税金では高所得の会社員が増税になる。
給与収入から経費として差し引いて納税額を減らせる「給与所得控除」が年収1000万円を超える人で縮小する。
「サラリーマンの必要経費」と位置づけられる給与所得控除は、2013年に年収1500万円を超えると245万円で頭打ちになる仕組みになった。
それが16年から年収1200万円超の控除額が230万円になり、今年から年収1000万円超の控除額が220万円に下がる。
個人住民税は1年遅れで同様の仕組みに変わる。
年間の税負担は個人住民税の制度変更も加味すると、夫婦・子2人の世帯で夫の年収が1200万円の場合は3万円、
夫の年収が3000万円だと5万円増える。
一般家庭が薬を購入した際の税負担を軽くする仕組みも始まる。
市販薬のうち「スイッチOTC」と呼ばれる約1500品目を対象に、世帯の購入費用が年1万2千円を超えると、
超えた額を所得から差し引いて課税対象の所得を減らせる。
差し引ける上限額は8万8千円。対象品目はかぜ薬「パブロンSゴールド錠」(大正製薬)、胃腸薬「ガスター10」(第一三共ヘルスケア)などだ。
スイッチOTCはもともと医者の処方箋が必要だったが、安全性が認められてドラッグストアで買えるようになった。
軽い病気は医療機関にかからず、自身で治すよう促すのが狙いだ。
例えば所得税率が20%の世帯で、購入費が2万円なら8千円が課税対象の所得から差し引かれ、1600円分の所得税の負担が減る。
医療費控除との併用はできない。
■介護保険は収入連動
社会保障の分野では、年収に連動して会社員らの負担する介護保険料を増減する「総報酬割」を、8月から導入する。
保険料率は最終的に各企業の健康保険組合が決めるが、大企業に勤めるサラリーマンの保険料は上がる公算が大きい。
逆に収入が少ない中小企業などで働く人は下がる可能性が高い。
厚生労働省の試算によると、負担増になるのが公務員と合わせて約1300万人。
逆に約1700万人は負担が減る。
急激な負担増を避けるため17年度から4年かけて導入する予定で、8月からは総額の半分実施する。
全面導入の段階では、大企業で年収が456万円なら労使合計で1人あたり月727円の負担増。
年収が約841万円なら月5668円も負担が増える計算になる。
現役世代だけでなく、一定の所得がある高齢者の負担も増える。
医療費の自己負担を和らげる「高額療養費制度」で、70歳以上の負担上限額が8月から上がる。
年収370万円以上の高齢者の場合、外来医療費の月額の上限は現行の4万4400円から5万7600円になる。
年収370万円未満でも住民税課税世帯であれば上限は月額2000円上がり、1万4000円となる。上限が上がる分、高齢者の持ち出しが増えることになる。
いかがでしたでしょうか。
ますます高所得者が不利になってくるご時世になってまいりました。
この記事が日経新聞に上がってからご年収1,000万円を超えていらっしゃる方からお問合せ頂く事が非常に多くなりまししたが、皆様はこの増税にどう対策を取られるご予定でしょうか?
皆様からのお問合せを心よりお待ちしております。