耐震基準の話
今回は先日、開催させて頂いた不動産投資セミナーにご来場されたお客様からの相談内容について
お話しさせていただきます。
内容といたしましては、両親から相続した投資用物件の相談で御座いました。
物件は築41年の1棟マンションで御座いました。
部屋数は16戸で、現状空室が多く家賃収入も少なく
築年数が古いことから、設備関係が次々と壊れて
修理するのにコストが掛かってしまい。
どうしようもない状況で、どうにかして欲しいとの事で御座いました。
ご相談を受けて、物件を拝見させて頂いたところ
管理も行き届いておらず、築年数も古く直ぐに建て替えを行わなければならない状況で御座いました。
相談頂きましたオーナー様が呟いたお言葉が
「こんな物件相続しなければよかった。」
今回の様な相談内容は、稀な話では御座いません。
不動産という資産は、子供の世代、また物件によれば孫の世代までも引き継いでいくもので御座います。
目先の利益だけに目を向けず
ご自身だけではなく、お子様・お孫様が所有する事をお考えになってご検討下さいませ。
そこで、今回は【耐震基準】についてお伝えさせて頂きます。
非常に重要な事となりますので、是非ご確認くださいませ。
そもそも、耐震基準とは何か?
この前年の関東大震災により甚大な被害を受けた日本は
「建物が地震の震動に耐えうる能力」の重要性を痛感し
市街地建築物法施行規則の改正により耐震計算が義務づけられました。
1950(昭和25)年には建築基準法が施行され
具体的な耐震基準は建築基準法施行令に規定されました。
これがいわゆる「旧耐震基準」と呼ばれるものです。
建築基準法はその後もたびたび改正が行われましたが
建築基準そのものが大幅に見直されたのは1981(昭和56)年のことです。
これは1978年に発生した宮城県沖地震(マグニチュード7.4・震度5。東京でも震度4を観測)を受け、マグニチュード7.5クラスの大地震を想定してのもので、建築基準法施工例改正により新耐震基準が導入されました。
この基準が現在まで採用され続けており、原則として新耐震基準をクリアしていない建築物は建築確認(建築計画の行政チェック)に合格できず、確認済証の交付が受けられません。
新耐震基準とは? 旧耐震基準との違いについて
旧耐震基準のコンセプトは「震度5程度の地震に耐えうる住宅」というものでした。
これは1950年当時の建築技術からするとかなり厳しい基準ではありましたが、日本では震度5以上の地震はしばしば発生しており、現代の感覚からすると決して十分なものではありません。
そこで新耐震基準では「震度5強程度の地震ではほとんど損傷しない」
「震度6から震度7に達する程度の地震でも倒壊・崩壊しない」
というレベルの耐震設計が求められています。
また、新基準では建物そのものの損傷よりも建物内の人間の安全性を確保することに主眼が置かれています。
例えば、コンクリート柱に入れる鉄筋の間隔を短くするなど、たとえ建物が損傷しても倒壊・崩壊を避け、人命が守られるよう義務づけています。
1995年に発生した阪神淡路大震災の被害状況を見ると、旧耐震基準の建物の約30%が大破以上の被害を受けたのに対し、新耐震基準の建物の大破は数%に抑えられています。
もちろん「新耐震基準の建物であれば、どんな大地震にでも耐えられる」というわけではありませんが、特に人間の安全を考えるのであれば、新耐震基準に準拠しているに越したことはないでしょう。
【注意】1981年以降たてられた物件がすべて新耐震基準を満たしているわけではない
新耐震基準の施行は1981年6月1日です。
この日以降、建築確認を受け確認済証の交付がなされた建物は新耐震基準に準拠していると考えられます。
しかし、この日以前に建築確認を受け、すでに着工している建築物に関しては必ずしも新耐震基準を満たしているとは限りません。
大規模マンションの場合、着工から竣工までには数年を要することも珍しくありません。
このため1982年以降に完成したマンションでも、建築確認は1981年6月以前である可能性もあります。
つまり竣工日を見ただけでは新耐震基準に準拠した建物かどうかは判断できないのです。
以上の事を踏まえて、是非不動産投資をお考えくださいませ。
当社では、毎日【失敗しない不動産投資】との題名で不動産投資セミナーを開催させて頂いております。
取り組む取り組まないは1度置いていただき
自身が不動産を運用した際の具体的な数字をご覧になっていただきご検討下さいませ。
ご連絡お待ちしております。