2017.02.14

「民泊」にかかる経費

新しい不動産投資のビジネスモデルとして、民泊が注目されています。

民泊ビジネスをする際、知っておかなければならないのが、賃貸とは異なる民泊のランニングコストです。

たしかに民泊は賃貸より収益率が高い反面、さまざまなコストが生じます。

そこで今回は、民泊ならではのランニングコストについて紹介します。

■水道光熱費
賃貸であれば電気、水道、ガス料金などは入居者の負担です。

民泊の場合は、ホストである家主が負担しなければなりません。

部屋の広さや設備、宿泊人数によって異なりますが、民泊ビジネスには必要不可欠なコストです。

不要な電気代や水道代を使われないように、お風呂や家電などの使用ルールを決めて、周知しておくことが大事です。

■Wi-Fiの使用料
観光庁の「外国人旅行者に対するアンケート調査結果について」によると、困ったこととして最も多いのが「無料公衆無線LAN環境」が充実していないことでした。

AirbnbのレビューでもWi-Fiに関する書き込みが多いようですから、外出先でも利用できるモバイルWi-Fiは必須アイテムといえます。

通常の契約では一定のギガ数を超えると使用制限がかかるので、無制限の契約にすることがポイントです。

月額料金や対応エリアはキャリアによって違いますので、サービス内容をよく確認した上で契約してください。

■損害保険料
民泊は事業ですから、原則として住宅用火災保険の適用外になります。

住宅用火災保険の場合、用途が民泊だと保険の対象外になる可能性があるのです。

家主不在の民泊は事業用とみなされるので、火災保険は事業用の「一般物件」に加入しておいた方が賢明です。

保険会社によって異なりますが、一般的に掛け金は住宅用より高くなります。

また、民泊施設の不備などが原因による利用者のケガや、所有物の破損があった場合の備えとして、施設賠償責任保険も必要になります。

■アメニティグッズ、シーツなどのクリーニング代
清潔なバスタオルやフェイスタオル、シーツなどの提供は必須ですから、それらのクリーニング代がランニングコストになります。

その都度、新品を用意することはありませんが、使い古した感のある物は印象がよくありません。

状況に応じて新品に取り替える心遣いは欠かさないようにしましょう。

旅慣れた利用者は、自前でシャンプーやボディソープ、コンディショナーなど用意するケースが多いのですが、それでもひと通りは揃えて、常に補充しておくべきでしょう。

高級なアメニティグッズを用意して訴求効果を狙うのも一つの方法ですが、日本語が読めない外国人のために英語・中国語・韓国語などの表記をしておく方が喜ばれます。

■Airbnbなどマッチングサイトの手数料と業務代行手数料
Airbnbへの手数料は売り上げの3%ですが、日本のマッチングサイトのサービスは多様で、内容によって手数料が異なります。

今は、英語など外国語でのメール対応から現地での案内、鍵の受け渡し、必要事項の説明などのゲスト対応、各種クリーニング、消耗品の交換などさまざまなサービスがあります。

中には家具や寝具、食器などキッチン用品をレンタルしてくれる業者もあります。

代行手数料はサービス内容によって異なりますが、民泊におけるひと通りの業務を代行して、概ね売り上げの20~25%プラス清掃料金が相場のようです。

■経費とサービス品質のバランス
できることを自分ですればその分だけ経費は節約できますが、民泊投資なら代行業者に業務委託する方が効率的です。

ただし、料金とサービスの品質を吟味する必要があります。

代行手数料に見合わない低品質なサービスであれば、利用者の評価が下がり稼働率が落ちてしまいます。

そのため、業者に任せきりにするのではなく、時には自ら足を運んでサービスの品質をチェックする必要があります。

こういったこともあり、本業の仕事を続けながら民泊ビジネスを成功させることは、中々難しいというのが現状のようです。

いずれにせよ、本当にご自身の手間やコストに見合った収益が見込めるのか?

吟味する必要がありそうです。