2017.02.13

「一人暮らし」の人が求めている物件とは

全国宅地建物取引業協会連合会などが毎年実施している
「一人暮らしに関する意識調査」の2015年度調査結果が取りまとめられました。

その中で、年代層が上がるほど「日当たり」へのこだわりが強くなることや
女性の8割以上がバス・トイレ一体型を敬遠すること
家賃の妥当額は5万円台以下が8割を占めたことなどが分かりました。

今回はこの調査結果をもとに
不動産投資の観点で「一人暮らしをする人」がどんな物件を求めているのかを検証してみました。

調査は、全国の10代から60代以上の男女を対象に行われ
有効回答者数は2,350件でした(男性1,278件、女性1,072件)。

住まいは、持ち家以外が1,630件で、全体の69.4%です。

その内訳は、アパートが897件(賃貸の55.0%)、マンションが504件(同30.9%)、一戸建てが99件(同6.1%)、社宅が96件(同5.9%)、シェアハウスが2件(同0.1%)、その他が32件(同1.9%)です。

■一人暮らしで妥当だと思う家賃は5万円台以下

一人暮らしで妥当だと思う家賃については、全体の8割以上が「5万円台以下」を妥当としています。

最も多いのは3万円台の25.2%で、5万円台が23.9%、4万円台が22.2%と続きます。

8万~9万円台の割合は少ないものの、妥当とする女性は男性の約3倍になっています。

地域別に見ると、関東、中部、近畿は5万円台を妥当とする割合が最も高く
6万円台が妥当とする割合が10%を超えたのは関東と近畿だけでした。

北海道と四国では3万円台を妥当とする割合が30%を超え
東北と九州・沖縄が29%台になっています。

年代別では、4万円台を妥当とするのは10代で40.0%、20代前半で30.9%。
20代後半から30代になると、5万円台が最も多くなります。

6万円台を妥当とするのは、20代後半以上の年代で7%前後に上がります。

最も少ないのは9万円台で、どの年代でも1%を切っています。

意外なことに、10万円以上を妥当とする割合のほうが多い年代が多く
20代後半では1.8%で、全年代のなかで最も高い比率でした。

■家賃以外に重視するポイント

女性は建物に対するこだわりが強い傾向があり
特に「セキュリティ」が約24ポイント、「日当たり」は約18ポイントと、大きく男性を上回っています。

● 環境――6割超が「コンビニ・スーパーの有無」が重要
一人暮らしの部屋探しで環境について重視するポイントをたずねた質問で、一番多いのは「コンビニ・スーパーなどの有無」の66.4%。これは各年代層に共通しています。

次いで「学校・職場に近い」が44.6%、「駅が近い」が41.9%という結果です。

一方、「地域ブランド」を重視する傾向は2.9%と低く、下位におさまっています。

「コンビニ・スーパーなどの有無」は男性より女性が約8ポイント高く
「駅が近い」と「医療機関の有無」については女性が11ポイント上回っています。

総じて、男性より女性のほうが買い物や駅からの距離を重視し
普段の生活の利便性にこだわる傾向がみられます。

駅までの距離、職場や学校への利便性を重視するのは若い層が多く
年齢層が上がるにつれて医療機関や自然環境を重視する傾向が強くなります。

● 部屋の設備――オートロックを求める女性の比率は男性の2倍
重視する部屋の設備については、やはり「バスとトイレが別」が一番多く66.2%。

次いで「収納スペース」が60.8%で、「エアコン付き」が58.3%。

「オートロック」は全体では16.3%ですが、男女別で見ると男性が10.5%であるのに対して
女性は23.1%と重視する傾向が高くなっています。

女性の約8割がバス・トイレ一体型を敬遠し
「収納スペース」については20ポイント余り女性が上回っています。

対して、男性は「エアコン付き」や「インターネット接続」にこだわる傾向があります。

年代別では、年齢が上がるほどインターネット環境を重視するようになります。

■女性のこだわりの強さが垣間見える結果
今回の調査結果では、女性はこだわりが強いことが垣間見え、若干ですが高価格帯を妥当とする傾向もうかがえます。