「出口戦略」を考えて物件購入を!
一般的に不動産投資では、賃貸物件を購入し、家賃収入を長く得ていくことを目標とする人が多いでしょう。
しかし、ある程度の期間にわたって物件を所有し、その後売却して利益を得る「出口戦略」を練ることも大切です。
特に、利回りは高くなくても資産価値が落ちにくい物件の場合は、売買益を主目的にした方がリスクも少なくなります。
そこで今回は、売買益を効率良く得るために知っておきたい、資産価値の落ちにくい物件の特徴を考えてみましょう。
■交通の便が良い
不動産投資の最大の特徴は、「不動産」という名前の通り、投資対象が「動かない財産」であるという点に尽きます。
つまり物件の立地こそが、不動産において最も重要なポイントなのです。
また、立地の良さというのは、そう簡単に変わりません。
利便性の良かった地域がさらに良くなることはありますが、良い地域が急に悪くなることはまずないでしょう。
立地面でのアドバンテージは非常に大きく、安定しているのです。
好立地の条件の一つに、「交通の便の良さ」があります。
例えば、多くの路線が乗り入れているターミナル駅や、特急、急行などの電車が停車する通勤に便利な駅が物件の最寄りにあれば、買ってもそう簡単に資産価値が落ちないと言えるでしょう。
駅からの距離もポイントです。
最寄り駅から徒歩5分以内の物件は、将来的にも資産価値は高いでしょう。
仮に最寄り駅からの通勤時間が長くても、家から会社までのDOOR TO DOORの時間で考えれば問題はありません。
また、座って通勤できる始発駅の近くも人気が高いです。
■不動産会社のブランド力が高い
自社で建築したマンションに、統一したブランド名を付けるデベロッパーが増えています。
ブランド戦略は立地の良さ、高品質の基本構造、洗練された建物デザインなど、イメージを消費者に持たせることで購入意欲をかき立て、自社マンションの指名買いを誘発する狙いがあります。
これらのブランドマンションは、高額ながらもその品質の高さが評価され、中には中古物件の価格が新築分譲時よりも数%上昇しているケースもあります。
投資対象、海外サラリーマンの一時滞在用、そして住居用のいずれにも対応できる質の高さが評価されている証拠とも言えるでしょう。
洋服やバッグ、アクセサリーに限らず、不動産もブランドが重視される時代になったのかもしれません。
■災害に強い街
東日本大震災、そして熊本地震や河川の氾濫など、21世紀になっても人間は自然の脅威を完全に防ぐことはできません。
特に東日本大震災以降は住居の安全性、災害への強さを意識する人が増えています。
今後もその傾向は変わらないでしょう。
海抜が低い地域は、どうしても水害を気にしなくてはいけません。
また、地震が起きやすい地域や、火災に巻き込まれやすい人口密集地も存在します。
これに対して、地盤が強固な場所や丘の上、耐震性の高いマンションなど、災害に強いとされる物件は人気が高く、今後の資産価値も安定すると考えられます。
■生活の利便性が高い
立地が良い街は、商業施設も多く、生活するのに便利です。
例えば、条件の一つとして挙げた「駅近く」は、飲食店やスーパーなど便利な店も多く、人で賑わっています。
また役所など生活に必要な施設も多くあるので、必ず賃貸の需要があるでしょう。
実際、高齢者層がライフスタイルの変化に伴い、郊外の広い家から駅近くのマンションに移り住むという現象が起きています。
ただし、住む人によって生活環境へのニーズも変わってくるので、購入するエリアにマッチした物件を買うことが大切です。
ファミリー向けの大きなマンションを購入するならば、大規模なショッピングセンターや教育施設が多く、治安が良い街を選ぶべきです。
一人暮らしの若い人向けの物件ならば、スーパーよりもコンビニが多く、繁華街に近いエリアの方が需要は高いでしょう。
住人の層に合った物件を購入すれば、資産価値は維持しやすくなります。
■開発される街
いくら資産価値が落ちにくいと考えられる物件でも、時間が経過すれば建物の価値は落ちます。
しかし、将来的に物件のあるエリアの人気が高くなれば、その建物の資産価値の下落を地価の上昇でカバーできるでしょう。
現在、開発が進行中のエリアや、開発計画があるエリアの物件がお勧めです。
県庁など行政機関に行くと、開発計画などを調べることができます。
また、10年後、20年後などの人口予測も検討材料になります。
武蔵小杉などのように、鉄道路線の影響で一気に人気が高まることもありますので、交通機関の動向はしっかりと把握しておきましょう。