知らなきゃ損する!「国家戦略特別区域」の恩恵
ありがとうございます。
みなさん。
『国家戦略特別区域及び区域方針』をご存じでしょうか?
今回はその方針の中でも私が一番気になる<都市再生・まちづくり>について、
みなさまにお伝えさせて頂きたいと思います。
まず、この<都市再生・まちづくり>の指針ですが、
趣旨はというと「国際的ビジネス拠点の形成に資する建築物の整備【容積率】」が目的となるようです。
国家戦略特区法案アベノミクス3本の矢。
東京・大阪・愛知の三大都市圏を中心に規制改革されるというものです。
建築不動産関係では<都市再生・まちづくり>として。
都心のマンション等の容積率緩和
②外国人向け賃貸住宅を宿泊施設に出来る特例
③国際的なイベントなどで道路を遣いやすくする特例
この3つが挙げられています。
②③については対オリンピック特例かと思われますのでたいした驚きはありませんが、①については非常に興味深いです。
政府の日本経済再生本部での発表によると、都市再生の分野では、都心居住を促進する容積率・用途などの規制を緩和し、特区内のマンション建設で余った容積率をオフィスビルに移転しやすくする特例措置を講じると発表しております。
2020年東京五輪の開催を追い風に、容積率・用途などの規制を緩和して都心居住促進に向けた環境を整えていき、特区ごとに設置する統合推進本部に都市計画決定の権限を持たせ、マンション建設で生じる余剰容積を近隣のオフィスビルに売却しやすくし、都心居住と高層オフィス建設の双方を後押しするとのことです。
この特区が時限性のものなのか、事実上永続的に続いていく制度なのかにもよりますが、都心部にマンション購入を検討されている方にとっては購入エリアについて重大な要素になる可能性が出て参りました。
この容積緩和というのは、簡単に例えれば、今10階建てのマンションしか建てられない土地が15階や20階建てまで建てられるようになるという事です。
特に都市部はどれぐらい大きな建物を建てる事が出来るかが土地の価値に大きな影響を与えます。
例えば、土地の面積が同じでも、2倍の大きさの分譲マンションが建てられる場合、マンション販売をすれば、2倍の売上を上げられる事になります。
2倍の大きさのオフィスビルや賃貸マンションが建てられる場合、賃貸収入も2倍になります。
よって、容積緩和されるエリアによって、これまでの市場価値が変動する可能性があるのです。
「都心に不動産なんか高くて買えないから関係ない」
「もう既に建ってる中古マンション買う予定だから関係ない」
こう思う方もいらっしゃるかと思います。
確かに、短期的には関係がないかも知れません。
しかし、先に述べたように、もしこの特区が永続的なものだとすると、長期的には関係大アリです。
なぜなら、長期的には必ずマンションの建替えという問題にぶつかるからです。
今、古いマンションの建替えが社会問題になりつつあります。
それは、建て替えを行うだけの所有者の所定数の同意が得られないという事が、一番の問題なのですが、根本は違う所にもあります。
それは、潜在的な資産価値の余剰が無いという事です。
もし、今10階建ての建替えをしなければならないような古いマンションが
今回の特区で20階建てまで建てられるようになったとします。
そうすると、建て替えれば今のマンションよりも
なんと!10階分多く販売出来るマンションを建てる事が出来ます!!
これが「潜在的な資産価値の余剰」です。
マンションディベロッパーにとって、ただでさえ土地の少ない都心部のこのような物件は
建替え案件の中では超優良物件です。
元々建替えするお金が無く反対していた所有者も、
高くマンションディベロッパーに販売出来るかも知れないという選択肢が増えます。
結果、建替えという問題を解決出来る可能性が非常に高くなります。
容積率の緩和により、潜在的な不動産価値が上がる事によって、
建替え不可能なマンションが息を吹き替えす可能性も出てきた訳です。
そして、この特区が具体的にどこのエリアに指定されるかというと。
平成26年5月1日決定した区域は東京都では千代田区、中央区、港区、新宿区、文京区、江東区、品川区、大田区及び渋谷区と既に決定しております。
今、既に都心部にマンションを所有している人はもちろんの事、これからマンション購入を考えている方にとっても
「国家戦略特別区域」というのは非常に重要なポイントとなるのではないでしょうか。
このように、国の政策によっても、また金利に見られるように金融や経済状況によっても不動産は大きな影響を与える時代となって参りました。
あらゆる事に敏感に察知し、安倍政権が何をしても対応が出来るような柔軟性のある物件選びが必要なのではないでしょうか。