2016.07.06

業者選びの大切さ

こんにちは。

本日もシノケンハーモニーの不動産投資ブログをご覧いただきまして
ありがとうございます。

先日、宅建免許の更新の講習に行った際に司法書士の先生から実際にあった紛争事例をお聞きしました。

当社では『売主』としての立場で販売していますので、ご購入後のケアもしっかりしています。

しかし、媒介業者(仲介会社)は言い方が悪いと、売ったら売りっぱなしの会社も存在しています。

今回は既存の物件を売却する際にあった『所有者』と『媒介業者』との紛争事例をご紹介します。

■媒介業者が、居住用財産に関する譲渡取得税を誤って説明したため、その税の差額を損害賠償請求された事例■

【 紛争の内容 】

①売主Cは昭和50年より所有する住宅(本物件)に居住していたが、平成6年4月に転勤により勤務先の近くに住宅を購入し、転居した。本物件は、その後知人に賃貸した。

②平成8年4月、売主Cは、本物件の賃借人が退去したのを機に、本物件を売却するため媒介業者Bに相談した。

Bは、「平成9年12月末までに譲渡すれば、居住しなくなった平成6年4月から数えて3年目の12月末までに譲渡したことになり、居住用財産の3,000万円特別控除および軽減税率の特例の適用が受けられる」旨の説明をした。

③売主Cは、媒介業者Bの説明に従い、Bに売却の依頼をしたが、しばらくしても買主は現れなかった。

④平成8年10月、売主Cは、再度媒介業者Bに相談したところ、「家屋を取り壊して、更地にした方が売りやすいのではないか」とのアドバイスを受けたので、直ちに家屋を取り壊し、更地にしてBに再度売却を依頼した。

⑤しかしその後も買主は現れず、平成9年11月、媒介業者Bは「平成9年中に譲渡しないと特例の処置が受けられなくなるため、譲渡価格を大幅に引き下げてでも譲渡すべきである」旨の説明をした。

⑥売主Cは、媒介業者Bの説明に従い、譲渡価格を大幅に引き下げて売却の依頼をし、平成9年12月に本物件を買主Aに売却することができた。

⑦売主Cは、翌年、確定申告をするために税務署に行ったところ、税務署の担当者から「家屋を取り壊したその日から1年以内にその敷地の売買契約が締結されていないので、3,000万円特別控除および軽減税率の特例の適用は受けれらない」と言われ、多額の税金を納める事になった。

⑧売主Cは、特例を適用できなかった場合の税額と実際の納税額との差額を媒介業者Bに弁償するように迫ったが、Bは「重要事項説明書には税金の負担について記載していないし、税金の問題はC自身の問題」という理由で応じなかった。

【 各当事者の言い分 】

売主Cの言い分

・媒介業者Bのアドバイスにより家屋を取り壊したため、1年以内に売買契約を締結しなければ特例の適用を受けられなくなった。

しかしBはそのことを伝える事もなく、さらにその期限を過ぎて特例の適用が受けられなくなっていたにもかかわらず、平成9年中に譲渡すれば居住用財産を譲渡した場合の特例を受けられるというので、価格を引き下げてまで平成9年中に譲渡したのに、意味の無い事になってしまった。

・媒介業者Bがレポート用紙に試算してくれた手取り額のメモの金額と実際の手取り額との開きがあまりに大きく、Bは責任を負うべきである。

媒介業者Bの言い分

・売主Cの相談を受けており、家屋を取り壊した場合であったとしてもCが本物件に居住しなくなってから3年目の12月末までに売却すれば有利であると思いアドバイスをした事は事実だが、税金のことは重要事項説明書には何も書いていない。

もともと税金の問題はC自身の問題であり、C自身が事実関係や適用要件にもっと注意を払うべきである。

【 本事例の問題点 】

本事案では、媒介業者Bが、当初より相談を受けており、売主Cの事情も把握していたにもかかわらず、居住用財産の譲渡に関する特例の不確かな知識を基にしてアドバイスをしたことがトラブルの原因になっている。

税務署あるいは税理士に確認する事もなく取引を進めたことに問題があった。

~公益財団法人 不動産流通推進センター 不動産税制の手引きより引用~

この紛争事例は、売却の際の事例でしたが、購入時も同様の事が当てはまるのではないでしょうか?

メリットの部分を前面にお話をし、リスクに関してはオーナー様に背負わせる・・・

そのような業者から購入したら、今後の資産運用は非常に不安なものになってしまうのではないでしょうか。

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ご自身が抱える事になるかもしれない、リスクについて、惜しみなくお伝えさせて頂いておりますので、お気軽にお問い合わせ下さい。