2016.06.10

地震大国日本の耐震建物

記憶に新しい熊本地震

みなさまこんにちは。

本日もシノケンハーモニーの不動産投資ブログをご覧いただきまして
ありがとうございます。

この度の熊本での大震災におきまして、被災されました皆様に謹んでお見舞い申し上げます。

被災者の方々への救援が1日も早く行われ、1日も早い被災地の復興を心よりお祈り申し上げます。

今回の熊本での地震は平成7年の阪神大震災と同じ内陸直下型で、木造家屋に大きな影響を及ぼすタイプの揺れが強かったことが被害拡大につながりました。

日本で起きる大地震は、プレート(岩板)境界が動く東日本大震災などの海溝型地震と、内陸の活断層が動く直下型地震に大別されます。熊本地震は後者で、阪神大震災と類似点が多くあります。

東京大地震研究所の分析によると、熊本地震は周期が1~2秒の揺れと、周期が0・4~0・6秒の短い揺れの2つのタイプが強かったとのことです。

周期1~2秒の揺れは「キラーパルス」と呼ばれ、木造家屋に大きな被害をもたらす特徴があり、阪神大震災の揺れのほとんどがこのタイプでした。

今回の地震の規模はマグニチュード(M)6・5で阪神大震災のM7・3を下回りましたが、震源付近では大きな揺れに見舞われました。

これは、震源の深さが約11キロと浅かったことに加え、阿蘇山から約30キロと近いため揺れやすい地盤だった可能性があります。

熊本地震の背景には九州の特徴的な地質構造があります。

西日本は太平洋側から海洋プレートが沈み込むため地盤を圧縮する力が働きますが、九州では地盤を引っ張る地殻変動が起きています。

大分県別府市から長崎県・島原半島にかけての溝状の地形は「別府・島原地溝帯」と呼ばれ、地盤を南北方向に引き裂くような力が働く。

周辺にはひずみがたまりやすく、多くの活断層があり、今回の地震はこの南端で起きました。

1995年の阪神淡路大震災の建物被害は全壊約10万棟、2011年の東日本大震災による建物被害は全壊約12万棟でしたが、東日本大震災は、地震の揺れというよりも、津波によるもの、火災による被害が多かったようです。

過去を振り返ると、地震大国日本では何度も大震災を経験しています。

岩手・宮城内陸沖地震で地割れして陥没した道路

中国・四川省の地震被害と日本の地震被害の違い

2008年5月に中国・四川省大地震が起こった翌月、日本国内でも岩手・宮城内陸地震が発生しました(2008年6月)。

気象庁の発表によると、震源は岩手県内陸南部で深さ約8km、マグネチュード7.2。

岩手県奥州市と宮城県栗原市で震度6強、宮城県大崎市で震度6弱を観測し、家屋の被害状況は全壊28棟、半壊98棟、一部破損1,380棟でした。

このように地下の浅いところで起きる地震は「直下型地震」と呼ばれます。
1995年1月の阪神淡路大震災や2007年7月の新潟中越沖地震も同じタイプで、このような地震は日本全国で起こる可能性があります。

2007年 新潟県中越沖地震

2007年7月に発生した新潟県中越沖地震は新潟県上中越沖を震源とし、深さ約17km、マグネチュード6.8。
長岡市、柏崎市などで震度6強、上越市、小千谷市などで震度6弱、三条市、十日町市などで震度5強を観測しました。

家屋の被害状況は全壊1,319棟、半壊5,621棟、一部破損35,070棟でした(消防庁発表)

1995年1月に発生した阪神淡路大震災の震源地は淡路島で深さ16km、マグネチュード7.3。
神戸市須磨区、長田区大橋などで震度7を観測したほか神戸、州本で震度6、京都、彦根、豊岡で震度5を観測しました。

家屋の被害状況は全壊104,906棟、半壊144,274棟、一部破損390,506棟となっています。

このように、日本は幾度となく大震災を経験してきましたが
被害の多くは木造住宅に集中しています。

現在の耐震基準は1981年(昭和56年)に制定された「新耐震基準」が元になっており、その耐震性は、震度6強から震度7程度の地震に対し建物が倒壊・崩壊しない程度となっています。

中国・四川省大地震では多くの建物ががれきの山になり多くの人命を奪いましたが、新耐震基準のマンションは、あのような壊れ方はしない、と言う事です。

新潟県中越沖地震で被害にあった家屋

証明された「新耐震基準」建物の安全性

阪神淡路大震災で倒壊、崩壊した建物を調査した結果、倒壊した多くの建物が、この基準ができる以前に建てられたものだったことが分かりました。

反対に1981年以降に建てられた建物のほとんどに大きな損壊が見られなかったことから、この新耐震基準を守って建てた建物であれば、安全であることが証明された形となりました。

現在でもこの新耐震基準は建物を建てる時に最低限守らなければならない基準となっています。

そもそも、日本及びその周辺では、世界で起こっている地震の約1/10にあたる数の地震が発生しており、観測体制が整った明治以降でも多くの人的・物的被害をもたらす地震が発生しています。

なぜ、このようなことが起きるのでしょうか?

地球の表面は、「プレート」と呼ばれる板のような岩の層で覆われていますが、日本は海のプレートである太平洋プレート、フィリピン海プレートや陸のプレートである北米プレート、ユーラシアプレートなどの複数のプレートが接する境界に位置しています。

海のプレートは、陸のプレートの下に1年間に数cmから10cm程度のゆっくりとした速度で沈み込んでいきますが、引きずりこまれた陸のプレートの先端部にひずみがたまり、100年~200年ぐらい経つとこのひずみの蓄積に限界がきて壊れてずれ動き、陸のプレートの先端部が跳ね返ります。

このときの衝撃で起きるのが「海溝型地震」で、2011年東北地方太平洋沖地震のような巨大地震につながるケースがあります。

また、沈み込む海のプレート内部で発生するのが「プレート内地震」です。

日本列島は、プレートの移動により圧縮され、その押し合う力によって日本列島をのせている陸のプレート内の岩の層が壊れてずれることにより「内陸型地震」が発生します。

この地震は、地下約5~20㎞ぐらいの浅い所で起きるため、私たちの生活に大きな被害をもたらします。

ここでは、この「内陸型地震」を起こす原因である「活断層」について説明します。

私たちが住んでいる街の地面を掘り下げていくと最後は固い岩の層にぶつかりますが、この岩の中にはたくさんの割れ目があります。

ここに「大きな力」が加えられると、割れ目が再び壊れてずれます。

この壊れてずれる現象を「断層」活動といい、そのずれた衝撃が震動として地面に伝わったものが地震です。

そして「断層」のうち、特に数十万年前以降に繰り返し活動し、将来も活動すると考えられる断層のことを「活断層」と呼んでいます。

日本各地の活断層分布図をみると、ご覧のように東京付近にはほとんど活断層(赤い線)はありませんが、西側や近畿地方に集中して活断層が配置されています。

これは、単純に地震が発生する可能性が高いという事になります。

先程、新耐震基準のマンションであれば安心とありましたが、その後も何度も法改正を繰り返している訳なので、1981年に建てられたマンションと今の最新の建築技術で建てられたマンションとでは耐震性にも雲泥の差があります。

このように、様々な観点から考えますと、現物資産である不動産を所有する以上、木造住宅や中古物件は地震に対するリスクが高くなると言わざるを得ません。

天災はいつどこで起こるか、今の人類の技術では正確に予測する事は出来ません。

ですが、しっかりとしたバックアップが受けられる保険に加入したり、活断層が少なく地震が発生する可能性が低いエリアで取り組むこと、また最新の建築技術で建てられた新築マンションを選ぶことによって被害にあう確率を下げる事は出来ます。

弊社では、天災以外にも様々な観点から失敗しない不動産投資の秘訣をお伝えしています。

詳しく聞きたいという方は、私までお問い合わせ下さいませ。

阪神淡路大震災の被害の様子