2015.03.25

富裕層の課税と節税対策

今回も前回に引き続き、トマ・ピケティの「21世紀の資本論」を取り上げたいと思います。
(ピケティシリーズ第4回目となります。)

ピケティは、その著書の中で、いつの時代でも、資産による収益率(r)が、所得によるによる伸び率(g)を上回っている、ということを発表しました。

そして、広がっていく「格差」を埋めるためには、「税を累進課税的にすることである」と氏は説いています。

資本による「格差」を埋めていくためにはそれが必要な施策だとしても、富裕層の方にとってみれば、「ああ、そうなんですね。それでは、私の資産の一部を税として社会に還元しましょう」ということには素直にはならないでしょう。

ましてや、ただ単に「累進課税にする」というのは、日本社会の中で、自分自身の時間と生命と(文字通り)身を削りながら働いている富裕層のエリートの方たちに失礼、というものです。

そのため、結局は、「富の不平等」を埋める、というテーマは、本当に難しい。

下手をすれば、頑張っている人、有能な人からどんどんと海外に移転していく可能性もあります。
(会社でも組織でも、頑張る人が優遇されないシステムになり、悪平等主義がはびこるようになれば、結局は悪貨が良貨を駆逐する、という現象のように、最終的にはどうなるか?ということは多くの人が予測がつくことであると思います。)

とはいえ、そのような中、一サラリーマン、一勤め人の立場で、毎月強制的に引かれていく「源泉徴収税」に対抗する術を具体的に思い浮かべることができる人は、ほぼほぼ皆無ではないでしょうか?

ある富裕層の方と話をした時、その方はこうおっしゃっていました。

「俺たちはさ、働くと50%なの。でも株だと20%でしょ?
株とか資産運用の方がいいよね?」

と。

勿論、この時の文脈の50%とか20%とか言うのは、税金の税率のことです。

ここでも結局のところ、「税制」そのものが、g(勤労所得)の世界で不利に働き、r(資産収益)の世界で有利に働いているのです。

これでは、ますます、有能な人は、rの世界での資産を構築しようとしますから、結局のところ、格差は埋まらないのです。

それであれば、一層のこと、「勤労所得」に対する税金を5%に下げるとか、それくらい思い切った優遇の方が、本来の意味での格差は埋まるかもしれません。

さて、話を戻しまして、今、目の前で具体的にすぐにできる節税対策としては、まさにrの世界で資産を所有することで使えるようになる、「損益通算」という方法があります。

この方法は、特にgの世界でしか所得を得ることができず、強制的に課税されてしまう優秀でご年収が高い方には朗報のニュースです。

もちろん、所得に応じて効果も異なってきますので、一概にここで申すことはできませんが、ピケティを題材にしている私のブログを読んで頂いている方であれば、相応のご年収の方でいらっしゃると思います。

ぜひ、詳細は個別相談会でお問い合わせくださいませ。