大学の都心回帰
仕事柄、各地のファミレスや喫茶店をよく利用するのですが、最近は勉強されている学生をよく目にします。
受験…もうそんなシーズンなんですね。
追い込みをかける一番大変な時期だと思いますが、寒さに負けず頑張って欲しいものです。
さて、今回はそんな学生についてです。
不動産投資では、入居者の対象は安定収入のある社会人だけではなく
もちろん学生も含まれます。
収入のない学生は親御さんが契約者、もしくは保証人になり賃貸契約を結びます。
地方から上京する学生は必ず住居が必要となります。
専門学生であれば2年間、大学生であれば最低でも4年間は住んでくれる可能性が高いということです。
そうしたことから、郊外の大学キャンパス付近で
学生を対象とした物件での運用を検討されている方もいらっしゃいます。
郊外であれば物件価格も安くなるので、投資効率は良くなるという理由からです。
しかし、そのような運用には非常に怖いリスクが潜んでいます。
日本経済新聞2013年10月17日(木)の記事ですが
大学の都心回帰が相次ぎ、キャンパスが多く存在し学生で溢れかえっていた東京の”八王子”や”多摩”から学生の姿が減り、市や大学が学生を呼び戻す為に必死になっているという内容です。
実際にここ数年で郊外から都心回帰した大学を挙げてみます。
(予定している大学、一部の学部を移転した大学も含む)
【立正大学】熊谷キャンパス(埼玉県熊谷市)→大崎キャンパス(東京都品川区)
【東洋大学】朝霞キャンパス(埼玉県朝霞市)・板倉キャンパス(群馬県有邑楽郡)→白山キャンパス(東京都文京区)
【共立女子大】八王子キャンパス(東京都八王子市)→神田一ツ橋キャンパス(東京都千代田区)
【跡見学園女子大】新座キャンパス(埼玉県朝霞市)→文京キャンパス(東京都文京区)
【青山学院大学】相模原キャンパス(神奈川県相模原市)→青山キャンパス(東京都渋谷区)
【拓殖大学】八王子キャンパス(東京都八王子市)→文京キャンパス(東京都文京区)
【中央大学】多摩キャンパス(東京都八王子市)→未定
【杏林大学】八王子キャンパス(東京都八王子市)→三鷹キャンパス(東京都三鷹市)
【実践女子大学】日野キャンパス(東京都日野市)→渋谷キャンパス(東京都渋谷区)
大学もビジネスです。
学生の獲得が運営を左右します。
一都三県(東京、神奈川、千葉、埼玉)に日本の約30%の人口が集まっていると言われ
大学が都心部にあれば、どの県からも通いやすくなり、学生が格段に集まりやすくなります。
また、企業と同じく都心部にあることでイメージの向上につながります。
今後も都心回帰する大学が増えてくると予想されています。
上記大学の移転に伴い、賃貸需要が減り
入居率が下がり苦しんでいる大家さんは多いかと思います。
バブル期とは違い、いかに長く安定的に収益を確保出来るかが今の不動産投資には求められています。
どのようなエリアであれば本当の意味で安心して運用出来るのか
原点に帰る必要があるのではないでしょうか。