2013.10.16

リニア開通と不動産投資の未来予測

リニア開通による「東京」「名古屋」「大阪」の不動産の価値はどうなる?

先月、リニア中央新幹線の東京(品川)-名古屋間の詳細ルートや駅の位置が発表されました。

「夢の超特急」の開通に向け、来年で50周年を迎える「東海道新幹線」との棲み分けはどうなるのか?ですとか、気になる点が2013年9月18日付の日経新聞にまとめられておりました。

まず、「所要時間」の比較ですが、「品川―名古屋」間は
現在の東海道新幹線ですと1時間30分です。

これが最短で40分になります。

そして、氣になる「運賃」の部分ですが
JR東海は、今のところ、品川―名古屋間の運賃を、東海道新幹線「のぞみ」の運賃に700円程度上乗せすることを想定しているそうです。

また、仮に2045年に大阪まで全面開通した場合でも
上乗せは1000円程度にとどまる見込み、とのことで「時間」を「お金」で買いたい、という人にとってはまさに「夢の超特急」となると思います。

それでは、これが「不動産投資」という文脈において、どのような影響をもたらすことになるのか?ということを考察してみたいと思います。

まず、「交通機関」の利便性が高まると、どのようなことが起こるのでしょうか?

一般には、利便性が高まれば「良い経済効果をもたらす」と考えられています。

事実、9月19日付の日経新聞によると、三菱UFJリサーチ&コンサルティングは
「品川―名古屋間の開業による経済効果を10.7兆円」「大阪まで同時開業をした場合は16.8兆円」と試算しています。

東名阪が経済圏としてより一体化する、と考えられているわけですが
事実はどうなるでしょう?

リニア中央新幹線の開通によって、名古屋や大阪の不動産の価値は果たして上昇するのでしょうか?
それとも変わらないのでしょうか?

弱い都市から強い都市への「需要」の移動

交通機関の利便性が高まるとどのようなことが起こるか?と申しますと、実は「都市間」の競争も激化します。

そして「ストロー現象」というものが起こります。

「ストロー現象」とは「強い都市」が「弱い都市」の需要を取ってしまう現象のことです。

この現象は、本州と四国を結ぶ本州四国連絡橋(本四連絡橋)でも起きています。

本州と四国が橋でつながれば、多くの本州にいる人が、四国に観光に来てくれるようになる、と当初は考えられていたのです。

しかしながら、いざ開通をしてみると、四国に住んでいる人が本州へ買い物に出かけるようになってしまいました。
(弱い都市→強い都市への「需要」の移動)

他にも同様の話はたくさんあり、先日お客様から聞いたところによりますと
木更津―横浜間を結ぶ東京湾アクアラインができた時も同様の現象が起きたそうです。

当初は、木更津がベッドタウンになることが期待されていたのですが
結果は、木更津から横浜へ買い物客が流出。

バスで約30分で横浜まで行けるため、一気に木更津駅前のデパートは撤退し、寂れてしまいました。

このように、東名阪が(交通機関の発達によって)経済圏として一体化する、ということは
より一層「東京の不動産」の価値だけが高まる、ということです。

先日乗った名古屋のタクシーの運転手さんは、既にこの「ストロー現象」のことをご存じで
「そのうち名古屋の富裕層の人たちが、リニアで慶応幼稚園とかに通わせるんじゃないかい?」というようなことをおっしゃっていました。

冗談半分だどは思いますが、東京まで「40分」ということを考えると、あながちあり得ない話ではないかもしれません。

ということで、お客様からはよく大阪や名古屋の不動産屋さんが「リニア中央新幹線」を利用して地方都市のアピールをしている、という話を伺うことがありますが
今後、名古屋まで40分、大阪まで60分で行けるようになると
「東京」という都市の価値はますます不動のものになります。

不動産投資の成功を決める重要な20%

海外から見た場合も、海外の投資家はTOKYOしか知りません。

このように、全てのバリュー(価値))は東京にあり
東京に不動産を所有している、というだけで、今後も楽しみなことになるのです。

この、はじめの「エリア」の選択さえ間違えなければ、不動産投資の大事な80%を生み出す重要な20%は攻略したようなものです。

もし「未来予測」と「不動産投資の成功を決める重要な20%とは何か?」を詳しく知りたい方はお気軽にお問い合わせを頂きますれば幸いです。