不動産投資における「短期的目標と長期的目標」について
年収と思考スパンの関係
これは、人間の「意志力(WILL POWER)」をテーマに扱っている本です。
とても興味深く、私はこの本の影響で毎日瞑想を始めたのですが
「意志力」に関する研究が面白く感じましたので、他にも何冊か読んでみました。
その中の1冊『WILL POWER 意志力の科学』(インターシフト社刊 ロイ・バウマイスター著)という本の中に、面白い記述がありました。
下記のストーリーの「続き」を考えてみてください、というものです。
「ジョーはレストランでコーヒーを飲みながら考えていた。彼が考えていたのは、この先のことで・・・」
上記のストーリーの続きを、遊び感覚で簡単に考えてみてください。
もう1つ似たようなものがあります。
「目を覚ましたあと、ビルは将来のことを考え始めた。漠然と彼が思っていたのは、、、、」
このビルの物語を、アバウトなストーリーで構いませんので、ぜひ完成させてみてください、というものです。
(ぜひ5秒から10秒くらいで、適当なストーリーを思いついてみてください。)
さて、できましたでしょうか?
実はこれは、小説家やシナリオライターになりたい人のためのストーリーテリングのテストではなく、バーモント州バーリントンの治療センターの精神科医が、へロイン患者に対して行ったテストです。
そして、このテストは同時に、ヘロイン中毒患者だけでなく、中毒患者たちと同じ人口統計学的性質を持つ成人グループ(大学教育を受けておらず、年収が200万未満など)にも同じテストが行われました。
この時に、ヘロイン中毒患者が作った物語(コーヒーショップのジョーの続き)では、「たった1時間先」のことまでしか書かれていなかった、という結果が出ました。
同じテストを受けた成人グループは、だいたい「1週間先」のことが書かれていました。
同様に、「ビルの将来」についての物語ですが、成人グループはだいたい「4年~4年半先」のことを考え、中毒患者は9日先までしか考えられなかった、という結果が出ました。
実は依存症患者の時間的な視野が短くなることは、過去に何度も確認されている、とか。
そして、それはどうやら、ご年収が高くなればなるほど、思考スパンが長くなる、というある程度の相関関係もあるようなんですね。
人は自分自身の価値観に合った情報しか「見る」ことができない
私も、お客様のご相談を受けさせて頂いておりますと、(その方のご年収に関係なく)
「とにかく目先」の「短期的視野」の「利益」しか「見えていない」方に時たまお会いすることがあります。
たとえば、不動産は5年で買い替えるような「車」とは違います。
本来は20年30年と長期スパンで所有するものです。
とかく「物件価格の安さ」だけにフォーカスして、築10年、20年または30年の物件を「安い」と思ってしまう人。
(実は初期費用や長期的な維持・管理コストは、中古の方が大きくなってしまうケースが多々あるのですが、、、)
不動産投資にも、「投資」寄りのものと「事業」寄りのものがあります。
不動産業界に精通していたり、不動産業界に対する「情熱」がそれほどないにも関わらず、「事業経営」の色が強い「1棟丸ごとの投資」を、あまりにも「お手軽思考」で考えてしまう人。
(1棟丸ごとの投資、というものは、不動産業界で「起業」をするようなものだ、ということの自覚が欠けていらっしゃる方が多いようです。
こちらはどちらかと申しますと、自分に自信のある高年収の方の中にもいらっしゃいます。)
世の中に氾濫している情報は、ほとんどが宣伝や広告です。
そして、人は、自分自身の価値観(フィルター)に合った情報しか「見る」ことができません。
そのため、まずは「情報を選別するフィルター」を整えないと、「勉強すればするほど」「情報を集めれば集めるほど」決断ができなくなってしまいます。
もし、「不動産投資」について、「正確なリスクを知りたい」「自分で全体像を判断できるようになりたい」とお悩みの方がいらっしゃいましたら、ぜひ私までご連絡くださいませ。