2013.09.02

出口戦略と「海外からの分かりやすさ」という優位性

不動産投資の市況

「足元の不動産」と「国境・境界線を越えた先にある不動産」

今日は「出口戦略」について、考えてみたいと思います。

2013年8月26日付の全国賃貸住宅新聞の中に
「海外不動産マーケットレポート」というものが載っていました。

その中で、世界のどの国のどの地域においても、
「国内不動産」と「海外不動産」という考え方がある、
ということが載っています。

つまり、ある国で暮らす投資家にとって、「足元の不動産(国内不動産)」と、
(実際に投資できるかどうかは別としても)「国境や境界線を越えた先にある不動産」の2つを常に意識して考えているようなのですね。

これは、日本においても同様で、国境を越えた先に不動産を狙う日本人投資家がいる一方で
足元の不動産(この場合は「日本国内」ということです)を海外の投資家が狙う可能性も十分ある、
ということを意味します。

特に日本人は、昔から、自国のものを軽視したり、卑下したりする傾向が強いので要注意です。

実は、2011年3月11日以降、日本の不動産に対する海外からのニーズは一時的に激減をしていました。

それが現在は、2012年の年末頃から、アジアの投資家を中心に日本不動産に対して積極的である、
という話をよく聞くようになり、実際に弊社でも、海外の投資家の方々のお問い合わせが急増しています。

この記事によりますと、海外の投資家にとって、日本の不動産が魅力的な理由は次の3つになるそうです。

1.歴史的な円高が円安基調に転じ、日本円資産としての日本不動産に割安感が出てきた。
2.アベノミクス効果で、日本不動産市場に底打ち感が広がってきた。
3.都市部を中心に、安定した賃料市場が形成されており、一定の利回りが期待できる。

しかしながら、「どのような物件にでも投資してくれる」というわけでは決してありません。

「TOKYO」の価値

海外の投資家は、遠く離れた場所の不動産を理解する上で、
自身の持つ日本のイメージをたぐり寄せて思考する
「思考する投資家」なのです。

簡単に言えば、「都心中心区が圧倒的に有利で、これ以外の立地では、説明に相当の苦労を要する」
ということです。
(つまり、「東京」以外のCityは認知されない、ということです。)

海外の投資家たちにとって、「分かりやすい立地」ほど説得力をもつ要素はありません。

そのため、実際に海外でも通用する不動産、というのは、本当にごくごく少数なのだそうです。

これを読んだ時、「ああ、なるほどなぁ」と思いました。

と言いますのも、私も弊社にお問い合わせを頂く外国の方の接客を何度も経験していたからです。

それほどに、「TOKYO」という立地は違います。

やっぱり、「NAGOYA」とか「OSAKA」とか「FUKUOKA」では、海外から見た時にインパクトに欠けるんですね。

このように、将来、不動産の売却を考える場合、日本人以外のバイヤー(買い手)の存在も忘れてはなりません。
海外の投資家にとって「分かりやすい立地」とは、それだけで価値がある
ということですね。

一般的に、あるマーケットにおいて、バイヤー(買い手)の数が多ければ、それだけ価値は押し上げられていきます。

これは株式でもなんでも同じですね。

従いまして、「利回り」という一見「賢そうな」数値だけで不動産を判断していると、
将来とんでもないしっぺ返しに遭うことになります。

地方の物件の利回りが高いのは、それだけ人気がない=土地が安いからであり、
ある意味当たり前のことなのです。

「利回り」が最も適切な不動産投資の基準であるならば、海外のプロの投資家も、
日本の地方の不動産に目をつけるはずです。

しかしながら、2012年5月25日の日経新聞にもありますが、日本で再び不動産投資を再開した米ゴールドマンサックスも、
4年前とは異なり、都心の優良マンションやオフィスに絞って資金を流入する方針を打ち出しています。

かように、都心(TOKYO)の価値というのは、プライスレスの価値を恒常的に持ち続けるのです。

このようなグローバルな視野から見た不動産投資の視点も、セミナーや個別相談会でお伝えしています。
もしご関心のある方はお気軽にお声をおかけくださいませ。