2013.07.25

アベノミクスによる資産インフレの到来!?

リスクと事例

金融緩和により不動産市場のへの資金流入が加速

アベノミクスによって昨年とは全く異なる様相を見せている不動産市場ですが、では、実際に、不動産業界の中にいる我々は、どのような見方でマーケットを見ているのか?ということにご興味のある方もきっといらっしゃるのではないか?と思っています。

そこで今回は、簡潔に今後のマーケット予測と、今の実態を踏まえて
マーケットレポートを書いてみたいと思います。

まず、「金融政策」と「不動産価格」とは、切っても切れない関係にあります。

資金調達が容易になれば、それだけ物件取得に対しての障害が低くなるわけですから
不動産市場にお金が流れやすくなります。

その結果、不動産取得に拍車がかかり、結果として不動産価格の上昇が本格化します。

これがさらに過熱してくると「資産バブル」になり、資産価格が上昇。

この過熱を冷ますためにとられる措置が金利の上昇です。

金融緩和によって資金調達が容易になる結果として、資産価格が上昇するわけですから
今度は金利を上げることによって物件取得に対して障害(ブレーキ)を大きくするわけです。

はじめに「資産価格」が上がり、次に「小売価格などの物価」が上がり、最後に「金利」が上昇する。
これが一般的に言う、インフレのセオリーです。

ただし、最近ではこのサイクルが早くなってきている、と申しますか
資産価格の上昇と物価の上昇が同時進行で起こったり
資産価格の上昇と金利上昇がリードタイムなしにほぼ同時並行で起きているように見えたり
またはその逆に金利が先に上がりながらも資産価格も上がっていく可能性もあるなど
なかなかセオリー通りにはいかない局面が予測されます。

(ここからは、不動産流通市場調査会社であります、株式会社Geo Laboratoryのレポートを参照しながら書かせて頂きます)

そして、アベノミクスによって間違いなく予測できることは、金融緩和により不動産市場のへの資金流入が加速します。

加えて根強い需要を背景に、地価や不動産価格の上昇が本格化してくるでしょう。

しかしながら、金融緩和や税制改正などは、一時的な特効薬のようなものであり
持続的な市場拡大には成長戦略が必要となります。

この結果として、規制緩和などの影響で、国内の企業活動が活性化し
例えば、本社機能が集中している都心の不動産市場には好影響となります。

ただし、実際に現場で不動産業に従事している我々、そして不動産市況をウォッチしている専門家は
アベノミクスなどの影響による実体経済への影響が本格化するのは、来年以降と見ています。

金利が上昇しても利回りが上がる?!

さて、ここで、金利と資産価格について、面白い記事がありましたのでご紹介したいと思います。

(先ほどの株式会社Geo Laboratoryのレポートより、下記に『 』で引用いたします。)

『例えば、金利2.0%で返済期間20年の場合、借入金1000万当たりの返済金額は約61万円になります。
同じ返済期間で金利が1.0%上昇すると年間返済額が6万円程度増加します。』

『次に一定の条件下で既存マンションを取得・保有した場合の収益性について、総合収益利回りから考えてみます。
これは単なる表面利回り等と違い、物件の所有期間全体の賃貸収支額や売却収入、
自己資金の要素を加味し、インカムゲインとキャピタルゲイン双方の収益性を表したものです。

都心3区の平均的な既存マンションを10年間保有し売却価格が取得価格と同等だった場合、
借入金利2.0%で6.4%の利回りが確保されます。

仮に借入金利が1.0%上昇すると同じ条件で利回りは5.5%に低下しますが、
売却価格が取得価格を10%上回ると利回りは7.4%まで上昇します。

これは単なるシミュレーションですが、アベノミクスが奏功し資産インフレが実現すると
こうした資産結果も現実味を帯びてきます』

簡単に申し上げますと、金利が1%上昇すれば利回りは低下しますが
仮に売却価格が取得価格を1割上回った場合(資産インフレ)、利回りは6.4%→7.4%になる、ということです。

通常、都心部の優良立地の不動産の場合、利回りは5%前後が一般的ですが
インフレがいよいよ実体経済に浸透してきますと
たとえ金利が上昇しても利回りが上がる、ということが起こりうるわけですね。

我々がお客様にご提案する場合、必ずインフレのシミュレーションも一緒にお渡しをしています。

売却金額が取得価格を10%上回った場合、ローン残債を差し引いてどのくらいの利益になるのか?
など、ご興味のある方はぜひお気軽にお問い合わせくださいませ。