ガラパゴス化から不動産投資を考える
不動産投資の市況ビジネス用語の「ガラパゴス化」
どのような意味かご存じでいらっしゃいますでしょうか?
恥ずかしながら、私はつい最近までよく分からずに聞き流しておりました。
「いまさら人には聞けないシリーズ」ではありませんが、少し解説・引用をさせて頂きます。
ウィキペディアによりますと、
「ガラパゴス化(ガラパゴスか、Galapagosization)とは日本で生まれたビジネス用語のひとつで、孤立した環境(日本市場)で「最適化」が著しく進行すると、エリア外との互換性を失い孤立して取り残されるだけでなく、外部(外国)から適応性(汎用性)と生存能力(低価格)の高い種(製品・技術)が導入されると最終的に淘汰される危険に陥るという、進化論におけるガラパゴス諸島の生態系になぞらえた警句である。」
と書いてあります。
つまり、日本の独自市場で独自の進化を遂げてきた、スマートフォンよりも前の機種
普通の携帯電話のことを「ガラケー(ガラパゴス携帯の略)」と呼ぶようなんですね。
良い意味と、悪い意味でのガラパゴス化を検証
「独自の進化」という意味では面白い表現であるな、とも思っています。
では翻って、日本での不動産投資をどう考えるか?ですが
まず、「良い意味でのガラパゴス化」は、厳格な建築基準法による耐震基準の建物と
世界一とも言える耐震技術でしょう。
あとは、世界都市ランキングから見た場合の「TOKYO」の魅力と、ポテンシャル(潜在力)。
そして、東北震災の時でも世界から絶賛された、日本人の道徳性の高さ。
このような「目には見えない資産」は、世界から見た場合、とても魅力的なバリュー(価値)なのです。
お金で買いたくても買えない価値ですからね。
このような、良い意味での「地域特性」「独自の進化」は
日本で生きる上での必然性としてとても意味があることですので
今後も「独自の魅力」として、ダントツで1番を獲り続けて欲しいなと思いますし
事実獲り続けていくことでしょう。
では、「悪い意味のガラパゴス化」とは何か?
独自の「孤立した市場」で「最適化」が著しく進行し、
その結果、エリア外との「互換性」を失い、孤立して取り残され
外部から適応性と汎用性の高い製品が導入されると
最終的には淘汰される危険性があるもの、、、、。
これは私は、「現在の不動産の中古物件市場」と
昔流行った「地方での不動産投資ブーム」に見ることができる、と思っています。
良くも悪くも呪文のように「中古中古」と言う方がいらっしゃいますが
まさに中古物件の市場は、日本の不動産市場の中でも「ガラパゴス化」している市場に見えます。
正直、私も昔はそうは思わなかったのです。
でも、近年「ダブル高齢化」と言われ、人だけではなく、日本のインフラや建物
上下水道、トンネル、高速道路などの高齢化が進んでいる現在
不動産投資に関しても、「ただ単に利回りだけを求める」というステージから
次のステージに潮目と意識が変わりつつあります。
近い将来、必ずそれが加速します。
まず、何よりも安全性と、建物の長寿命性が求められる時代になってきています。
自然淘汰される不動産をつかまないために・・・。
「最適化」が進んでも、地震が来たら、耐震基準を満たしていない建物は終わりです。
そして、今は1981年の新耐震基準であることは当たり前で
2007年の新構造基準であることが当たり前なのです。
また、どんなに建築基準を満たしていても
入居者が求めるニーズに応えていないマンション
例えば、宅配ロッカーや24時間ゴミ出しができないマンションは
建物としてそもそも「互換性」があると言えるのでしょうか?
外部から、適応力と汎用性、そして生存能力の高い品種の導入があった場合
例えば新築マンションが周りに建ってくれば、最終的には淘汰されてしまうでしょう。
今後の不動産投資は、このような、時代の潮目・意識の転換点を読んでいくべきだと思っています。
つまり、「ガラケー」ならぬ、「ガラ不」「ガラマンション」を購入してしまうと
いずれ自然淘汰される品種をつかんでしまう、ということですね。
そのような不動産が、自然界でメスがオスを引き寄せようとするかのように
一見「高利回り」のデコレーションをして、何も知らない投資家たちにババを引かせている、
というのが今の中古物件市場です。
このあたりの部分は、お会いした方には詳細をご説明しておりますので
是非お気をつけくださいね。