2019.12.23

「人生100年時代」は新しい発想で臨むべきとの提言は極めて当たり前

皆様、こんにちは。

いつもシノケンハーモニーの不動産投資ニュースコラムをご覧いただきまして
ありがとうございます。

いきなりではございますが、こちらの記事をご覧ください。

12月21日 日経新聞より抜粋でございます。

金融庁が老後の金融資産に2000万円必要との試算を示した報告書は、国民の不安をあおったとして事実上の撤回に追い込まれた。

家計調査にある無職の高齢者夫婦世帯の平均月間収支差である5.5万円を30年間かけるという単純計算だ。

所得や貯蓄は個人間の差が大きく、収支の平均値だけでは実態をとらえられない。

結果的に乱暴な試算が独り歩きした。

収支の平均値だけでは、老後に必要とされる金融資産はとらえられない。

試算の根拠になった総務省の家計調査は約9千世帯を対象に家計の収支や貯蓄などを調べている。

金融庁の報告書で引用したのは2017年平均のデータだ。

夫が65歳以上、妻が60歳以上の無職世帯の平均収支差額は5万4520円となっている。

ところが、18年のデータでは同じ条件での収支差額は4万1872円となる。

金融庁と同様の単純計算をすると「老後の不足額」は1500万円程度だ。

家計調査は対象世帯を定期的に入れ替える。対象の違いだけで平均値は大きく変わることがわかる。

一方、金融広報中央委員会が18年に実施した世論調査では、老後に最低準備しておくべきと考える金融資産の残高は平均2000万円程度との結果が出た。

金融庁の試算に近い。

ただ年収やどの地域に住んでいるかで金額に大きな差がある。

たとえば年収1200万円以上なら4010万円、年収300万円未満なら1469万円だった。

地域別でみると、最も多いのは関東で2533万円。

最も少ないのは東北で1580万円だ。住宅価格の差などが影響しているとみられる。

金融庁の三井秀範企画市場局長も14日の衆院財務金融委員会で単純な試算は「意味がなかった」と認めた。

金融広報中央委員会の世論調査では老後の生活を心配する人は8割にのぼる。

公的年金で特に懸念されるのが国民年金のみに加入する非正規労働者らだ。

国民年金では保険料を満額払っても、支給額が月6.5万円だ。

制度創設時の加入者は定年のない自営業者や農家が中心だった。

高齢でも働いて一定の収入を得つつ、国民年金を受け取るという生活を想定していた。

現在はフリーターなど制度創設時に想定していなかった加入者が多い。

このままでは都市部で貧困高齢世帯が激増する恐れがある。

ファイナンシャルプランナーの森本幸人氏は老後の備えとして「できれば厚生年金に入り長く働く」ことをあげる。

現在、従業員501人以上の企業に義務づけている厚生年金の加入要件を緩めるなど公的年金改革を進める必要がある。

私的年金を増やしていくには、運用次第で受け取る年金額が変わる確定拠出年金や少額投資非課税制度(NISA)の拡充は欠かせない。

政府は人生100年時代に向けた政策を進めていくべきだ。

2019年12月21日 日経新聞より抜粋

いかがでしたか。

この報告書では、高齢夫婦無職世帯(夫65歳以上、妻60歳以上の夫婦のみの無職世帯)の平均的な収入と支出を紹介し
公的年金の受給があっても、同世帯の毎月の赤字は約5万円となり
定年後に夫婦で95歳まで生きる場合には約2000万円(=約5万円×12か月×30年)の貯蓄が必要となる可能性を指摘しました。

ネット上や新聞などでは、この「2000万円」という試算が衝撃的であるとして
大きな話題となりました。

話題となった一般的な理由の一つは
多くの人々が老後の65歳までに2000万円もの貯蓄ができる自信がないためだと
多くの人は考えております。

この問題は、いくつかの論点が絡み合っています。

ひとつは「2000万円必要」の試算が妥当かどうか。

もうひとつは、報告書の受け拒否に象徴される政権の対応の当否です。

厚労省の会議でも提示されていたことは
ひとつの試算としてはあり得るということだと思います。

平均値か中央値かといった議論は
議論そのものを深める好材料と認識すべきではないでしょうか。

そもそも「人生100年時代」とは全く新しい時代です。

公的年金だけに頼らず、新しい発想で臨むべきとの提言は極めて当たり前のことです。

政権の対応ですが
「受け取りを拒否」
「拒否したのだから、報告書はないことになった」
という論法は乱暴です。

政権のドタバタが問題を過剰に大きくした感はあります。

もし「これはあらゆるリスクを想定した試算のひとつに過ぎない。もともと公的年金はあらゆる層のすべての生活費を支える設計にはなっていない」
と説明していたら、事態は免れた可能性があります。

このように、今後もあらゆるリスクが存在する時代に
私たちが働き続けられるように健康を維持できたとしても
働く場所を確保できるのでしょうか。

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