2019.07.01

「退職後の生活に入ることを遅らせる」つまり長く働けるようにすること

リスクと事例人生100年時代
こんにちは。
いきなりでは御座いますが、こちらの記事をご覧ください。

「年金不足」より認知症リスク 示唆多い金融審報告書

公的年金は多くの人の老後の収入の柱とされる。

6月初めに金融庁が発表した市場ワーキンググループの報告書が大きな話題になっています。

「老後資金は30年で約2000万円不足する」との試算を示したことが「国民に不安や誤解を与える」と批判され、事実上の撤回に追い込まれました。

しかし、これは非常に残念なことです。

報告書には我々一人ひとりが自分の老後のお金を考えるときの示唆が実は多く盛り込まれているからです。

本コラムの主な読者であるシニア世代から今回の問題をみる場合に大切な視点についてお話ししたいと思います。

最初に指摘したいのは、報告書の目的が大きく勘違いされていることです。

この報告書が公表されたとき「老後の生活には2000万円不足するから自助努力で賄いましょう」という部分のみが切り取られて大きく報道されたため、「年金の破綻をついに国が認めたのか」とか「保険料を払わせておいて自助努力はないだろう」といった主張がインターネットでも多く上がっていました。

しかし報告書をよく読めばわかりますが、どこにも年金が破綻するだの、老後の生活は自助努力しかないなどということは書いていません。

報告書はまず、今後の社会状況を考えると個人が自分で必要な資産形成をすることが大切であること、高齢化が進むことによって金融取引に対する認知・判断能力の低下する人が増えることを前提としています。

そのうえで誰もが長い老後生活を「自分ごと」として考え、金融業者もそれに寄り沿う形でフィデューシャリー・デューティー(顧客本位の業務運営)をより一層意識していくべきであると提言しています。

■金融取引、高齢者保護が課題

「2000万円の不足」はこうした結論を導くための前提の話の中で、あくまで一つのケースとして示したのに過ぎません。

この数字が独り歩きし、かつ政争の具にされているのが現状なのです。

麻生太郎金融相は報告書を受け取らないとし、「文章をきちんとした上で新たなものを作業部会でつくることも考えられる」と述べています。

「2000万円」問題や年金改革の議論が今後どう進むかは未知数ですが、私は今回の報告書は多くの示唆に富むと考えていて、特に2つのポイントをお伝えしたいと思います。

第1に金融取引での高齢者保護についてです。

報告書で指摘されているとおり、高齢化が進むということは誰もが認知症になるリスクを抱えていることを意味します。

現在も高齢者に対する不適切な金融商品の販売は後を絶ちません。

そんな状況の中で、高齢顧客保護のあり方は個別の金融機関の問題だけでなく、業界全体で横断的に考えていかなければならない極めて重要な問題です。

麻生金融相は報告書を「国民に不安や誤解を与える」として受け取らなかった。

特にシニア世代にとってこれは切実な問題であり、仮に今回の騒ぎがさらに大きくなり、金融取引での高齢者保護の充実という観点がすっぽり抜けてしまうとすれば実に懸念すべきことではないかと思います。

なぜなら行政の施策がないのであれば、認知能力低下のリスクに備える様々な手段を自分で考えなければならなくなるからです。

6月29日 日経新聞より抜粋

いかがでしたか?

もし支出の見直しだけで不十分であるようなら、働き続けることや運用をすることが選択肢になりそうです。

ただその場合も自分はどんな生活を送りたいのか、そして長い老後に備えて自分の資産をどう長持ちさせるのかを冷静に考える必要があるとでしょうか。

政府はこう述べておりました。

以下抜粋

退職後の生活水準は現役時代の生活によって左右されやすいので、一定の額ではなく個人ごとの比率で考える。

この目標代替率は、生活コストを抑えることで引き下げられる。

物価の安い地方都市への移住はその効果的な方法のひとつだ。

「退職後の生活年数」は、退職後の生活に入るのを遅らせることが有用だ。

すなわち長く働くことだ。

「資産形成比率」は資産形成額も定額ではなく、収入に連動させるという考え方だ。

金融業界は単に運用の有用性を訴えるだけでなく、勤労や生活コストなどもあわせて議論できる広い視野が必要だ。

                                  
と報告されていました。

雇用制度については多方面から様々な意見がありますね。

しかし最近では
AI(人工知能)やICT(情報通信技術)の普及、外部委託の増加により、職員がやるべき業務が大きく減少する記事が多く取り上げております。

このように、今後もAIが普及されていく時代に、私たちが働き続けられるように健康を維持できたとしても、働く場所を確保できるのでしょうか。

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