家電価格に見るプライシング戦略
本日もシノケンハーモニーの不動産投資ニュースコラムをご覧いただきまして
ありがとうございます。
本日は2019年5月20日(月)の日経新聞の記事から、ピックアップしてみたいと思います。
家電の価格、随時上げ下げ ビックカメラが「電子棚札」
(中略)
家電量販店大手のビックカメラは2020年度末をめどに、需給状況や競合価格などによって価格を柔軟に変える「ダイナミックプライシング」を全店舗で導入する。
米アマゾン・ドット・コムなどネット勢に対抗するのが目的だ。
価格をデジタル表示する電子棚札を全商品に設置し、店頭価格を本部から一括して変更できるようにする。
サービス業で先行したダイナミックプライシングが、大手小売りにも広がってきた。
(中略)
ビックカメラの直営全41店舗で電子棚札を導入し、需給などに応じて価格を頻繁に動かす「ダイナミックプライシング」を始める。
2月に開店した町田店(東京都町田市)で家電製品など約10万点に電子棚札を設置し、効果を検証してきた。
費用対効果が見込めると判断し、21年8月期までに新店を含む全店の全商品に取り付ける方針だ。
(後略)
個人的には、この記事は非常に面白い現象だな、と感じています。
これまで、家電量販店と言えば「値下げ」「値引き」「ディスカウントして買う」の代名詞でした。
それが、今後は、その時その時のマーケットの需給に合わせて、値段が頻繁に動く、というのです。
つまり、昨日はいくらだったけど、昨日と比べて高い、とか安い、とか、そういう「市場(いちば)」的な動きも出てくるのかもしれません。
家電の市場、ですね。
何か、株式や為替、暗号通貨のマーケットのように、家電もなっていくのかな、と感じています。
ただ単に、販売のために「値引きする」というのではなく、マーケットと需給に合わせて、価格がリアルタイムに動いていく、というのは分かりやすいかな、と思っています。
特に不動産の現場でも、お客様とお話をしていると、「不動産は家電ではないのですが・・・」と感じることも多々あり、恐らく、1990年以降に生まれた世代は、「デフレ」や「値引き」しか知らないのでは?と感じることもあったりします。
しかしながら、需給を反映して価格が動く、ということを経験して育った世代の方々(例えば、2020年以降に生まれ、生まれた時からダイナミックプライシングの世界が日常の世界に生きる人)は、もう少し、モノの価格、というものについて、立体的・複眼的・柔軟的に思考し、捉えることができるのではないか?
そういう人々に対して、しっかりと価格の根拠をご説明した方が、分かりやすいのではないか?伝わりやすいのではないか?という仮説も出てきます。
株であれ、通貨であれ、暗号通貨であれ、誰しも「安い時に買いたい」と思うのは当然です。
しかしながら、「自分が良いと思うものは、他の人も良いと思う」
「大量生産品であるならばまだしも、有限の製品やモノや商品、実物資産は特に需給バランスが強く働く」という原則が働くのも事実です。
このあたりの「リアルなマーケットの動き」をはき違えてしまうと、「実社会でこれだけ偉い自分は、交渉すれば安く買えて当然だ」というような、誤った思い込みを持つことになります。
投資の世界では、誤った思い込み、すなわち偏ったバイアスは、全て「損失」へと直結します。
このようなバイアスがかかったまま、「高利回り物件」を探し求めても、そのような方が良いと思うものは、マーケットでは「ジャンク」と呼ばれる案件であることは見えています。
そのため、投資を検討する場合、まず、自分自身の「バイアス」のチェックからスタートすることをお勧めしています。
「投資で成功するメンタルチェックを受けたい!」という方は、ぜひ私の個別面談にお申し込みください。