2019.02.20

アパート融資退潮から不動産投資を考える

皆様こんにちは。

シノケンハーモニーの不動産投資ニュースコラムをご覧いただきまして
誠にありがとうございます。

本日は2019年2月13日(水)の「日本経済新聞」の記事から、下記の記事をご紹介させて頂きます。

アパート融資の退潮鮮明 昨年、新規16%減

スルガ銀問題で慎重に

アパートやマンションといった投資用不動産の取得資金を対象にした個人向け融資の退潮が鮮明だ。

日銀によれば、2018年の新規融資額は前年比で16%減の2兆8348億円。

09年に調査を始めてから最大の減少率となった。

15年の税制改正で相続税の課税対象が拡大されたこともあり、土地所有者や富裕層を中心に投資用アパート・マンションの建築に火が付いた。

所有地にアパートを建てると土地の評価額が下がり、借金で純資産額を圧縮することで相続税の負担を減らす策が注目された。

土地所有者の節税需要が一巡すると、副収入や資産形成を狙った会社員の投資用不動産の取得熱に注目が集まり、融資が増えた。

日銀のマイナス金利政策もあり、銀行は投資用不動産への融資を競い合った。

暗転したのは18年。

投資用不動産を取得したい会社員らへの融資に積極的だったスルガ銀行の不祥事が発覚した。

借り入れ希望者の年収や資産などを示す審査書類の改ざん、取引価格を水増しした不動産売買契約書の偽造が横行していた。

(中略)

金融庁が実態調査に乗り出し、他の銀行も一斉に慎重な姿勢に転じた。

日本経済新聞が全国の地方銀行を対象にした昨年10月の調査では「今後、積極的にアパート融資を伸ばす」とした回答はゼロ。

(中略)

神奈川県在住で著名な不動産投資家は18年に新規物件の取得で銀行に融資を申し込んだが、断られた。

「詳しい話も聞かずに断られたのは初めてだった」という。

国土交通省によるとアパートを含む貸家の新築着工戸数は18年に前年比で5%減の約39万6000戸だった。

7年ぶりに減った。

銀行が融資を絞り始めた影響が顕著で、不動産市況の変調を懸念する声も出てきた。

いかがでしたでしょうか?

いよいよ、1棟アパート融資の融資環境の減退が本格的になってきました。

ここ数年、私とご縁のあるお客様にはお伝えし続けてきたことですが

「1棟モノ融資は、とにかくハイリスク・ハイリターン」

「自己資金を入れずに、いきなりプラス収支で回るものはその裏には、その金額分だけのリスクがあること」

「融資が伸びるが故に、可能である不動産投資、というものは、その逆に、融資が締まった時には、売りたくても売れない、という流動性のリスクにさらされることになります」

とお伝えし続けてきました。

そのたびに、一笑に付される方も多々いらっしゃり、私共も、「それは本当にまずいので、どうしてもそのようなハイリスクな案件をやりたい!ということであるならば、まずは流動性が高く、堅実な区分マンションをいくつか所有してからにしてください!」と言い続けながらも、その言葉がむなしく空を切り、お客様の心の底まで届かない現状に、無力感を感じた時もありました。

なぜならば、やはり、人が何かを購入する時の決断をするのは「感情」であり、また、2000年に『金持ち父さん 貧乏父さん』で一世を風靡したロバートキヨサキ氏によって、日本に輸入されてきたコンセプトである「不労収入」という言葉の魅力は、そう簡単に抗えるものではなかったからです。

逆に言えば、一棟モノは、金融機関次第。

買いたい人は常にたくさんいるので、売る側も、融資が通りやすい、決断が早い人を選んで、物件を紹介していく、という構造になっています。

このようにして、膨らみ、膨張していったアパート融資が、一時期「異形の膨張」という言葉で、日経新聞に取り上げられるようになってきたのは、2017年3月のことでした。

実は、もうかれこれ2年ほど前から、「シグナル」は出ていたのですね。

このような市場の暗転を受けて、現在の不動産投資は、
もはや「ハイイールド」(高利回り)を狙う、というものから、
「資産性」と「堅実性」そして「流動性」を狙うものに変化してきています。

いわゆる、「一棟モノ融資」をすることによる「不労収入ブーム」「メガ大家ブーム」「1物件1法人をつくって融資を引っ張りまくりましょうブーム」は、あっけなく終焉を迎えました。

とにもかくにも、不動産投資でもっとも重要なキーワードは、「資産性」と「流動性」です。

なぜならば、不動産投資は、良くも悪くも、他人資本(融資)を利用するものであるからです。

このあたりの詳しいことは、また私の個別相談会などでお伝えいたします。