「ふくおか経済EX2015」にシノケングループの記事が掲載されました。
大阪に事業拠点を開設
売上利益ともに過去最高見込む
全国主要都市で投資用アパート・マンション販売を主軸に事業展開するシノケングループの昨年12月期連結決算は売上高約397億円、経常利益約43億円で5期連続の増収増益と3期連続の過去最高益を継続。業績は順調に伸び続けている。
昨年2月にM&Aで子会社化した老舗ゼネコン、(株)小川建設の売上高約88億円が加わった上、同社の加入によって首都圏におけるマンション建設の内製化も進み、マンション販売事業のセグメント利益も5割以上野びるといった相乗効果が出ている。またマンション販売と並ぶ主軸事業のアパート販売も売上高、セグメント利益ともに大幅な伸び。そのほか不動産賃貸管理などのストック事業も堅調に推移している。
昨年12月には、これまで未展開だった大阪にも拠点を開設、「全国のエリア展開にめどが付いた」(篠原社長)として、東京、福岡、名古屋、仙台、札幌で培ってきたビジネスモデルを大阪でも展開し、不動産事業全体のボリュームを上げていく考えだ。
今期の連結予想はアパート・マンション販売の受注・契約がさらに増えていることから、売上高は過去最高となる500億円、利益も過去最高を更新する見通しとなっている。
介護事業ではグループホームに着手し認知症対応も
また年明け2月には、昨年12月に拠点を開設した大阪地区で、グループホームを運営する(有)フレンドと(有)ベストをM&Aで取得した。
グループの介護関連事業を展開する(株)シノケンウェルネスは、東京と福岡でサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)3棟、デイサービス2施設を運営しており、大阪を拠点にグループホーム5施設、小規模多機能型居宅介護施設1施設を所有して、高齢者向け認知症対応型グループホーム事業を展開する両社を取得したことで大阪エリアでは、不動産事業と同時に介護事業もスタートすることになる。
篠原社長は「これまで当社グループのサ高住ではカバーできなかった認知症にも対応することが直接の目的。福岡、東京でのグループホームのノウハウ構築にもつながるし、逆に大阪エリアでもサ高住を運営できる可能性もある」と今回のM&Aに期待を寄せている。
シンガポールの不動産会社株式を取得して現地で事業スタート
さらに昨年9月には、シンガポールの不動産会社Hecks Realty Pte Ltd(ヘックス不動産)の株式34.0%を取得し、現地での事業を開始した。
3年以内にヘックス社株の過半数を取得して子会社にすることで合意しており、現地の日本人に対する不動産・賃貸サービスや同社を通じて東南アジアの投資家に日本の不動産を販売斡旋するという双方向のサービスを提供していく。
シノケングループでは、これまでも上海、香港に現地法人を置いて海外事業を進めているが、今後はシンガポールを拠点にASEAN諸国での展開も視野に入れているという。篠原社長は「海外事業では香港の持ち株会社と複数の事業会社とをつなげ、国内で展開しているビジネスのノウハウやパッケージで、海外にフィットするものは利用しながら海外ビジネスを数億円規模に拡大させたい」と語り、自身で現地に赴いて、上海・シンガポール以外のASEAN諸国における事業展開の模索、パートナー企業の発掘などに努めている。こうした活動について篠原社長は「2020年以降どうやって会社を伸ばしていくかということに私のエネルギーを傾けている。それは今のところ海外と介護関連事業だと考えていて、いずれもこれまでM&Aで拡大してきている。基本的には今後もその方針に基づいて進めていく」と語り、将来に向けた布石を打ち続けている。