2014.12.13

「住宅新報」にシノケングループの記事が掲載されました。

「高齢者向け」で空室対策
総合力生かしサービス展開
福岡で70室の導入実績

シノケングループが展開している「高齢者向け賃貸住宅プラン」を通じた空室対策が、順調に進んでいる。介護や生活支援サービス、食事サービスを手掛ける事業者と提携することで展開している同事業は、13年度のグッドデザイン賞(ビジネスモデル部門)を受賞しているものだが、これまでにサービス提供している福岡エリアで70室の空室を埋めた。同グループでは、「少子高齢社会が進む中、増えていく一方のニーズの取り込みを図る」としている。
1部屋単位からサービス提供できることが特徴。空室が発生した場合にこのプランをオーナーに伝え、利用の有無を確認。利用する場合は、通常の賃貸入居募集と並行して行う。入居募集を高齢者に絞らないことで、利用の間口を倍に広げるためだ。通常の賃貸入居者が決まればそのまま部屋を提供、高齢者に決まった場合はある程度のバリアフリー工事などを行い、その後は提供しているサービスを入居者(高齢者)に紹介するといった流れだ。
例えば、福岡市西区で募集中の賃貸住宅の家賃は3万7000円で、内訳は実質家賃が2万5000円、運営管理費1万円といったもの。運営管理費には24時間専門オペレーターが対応する「安心ケータイ」の費用などが含まれている。食事サービスを利用する場合には、別途料金が発生する。
賃貸経営環境が厳しい現状下でも、一人暮らしの高齢者の受け入れに難色を示すオーナーはまだ多いという。その大きな理由の一つが「孤立死」。その後の遺品整理など、様々な問題が生じることをオーナーは恐れている。そこで、同グループでは「安心ケータイ」のサービスと共に、その機器に入居者の日常の生活を見守るセンサーを導入することでオーナーに安心感を与えるほか、万一のために「孤立死原状回復費用保険」も付けている。この保険は、グループ会社である「ジック少額短期保険」が提供しているものだ。また、賃貸管理や施工についてもグループ会社が手掛けており、この高齢者サービスによる空室対策は、グループ力を最大限活用したものといえる。 シノケングループでは、エリアごとに提携企業を増やしていくことで、東京など様々な地域でこの空室対策サービスを展開している考えだ。

なお、同社では現在、東京で2棟、福岡で1棟の合計約300室の「サービス付高齢者向け賃貸住宅(サ高住)」を運営している。
昨年8月に東京・ときわ台で第1号がオープン。現在、55室のうち50室が稼働している。そして、東京・高島平では全46室のサ高住を今年5月に開設しており、半年で半分程度の入居が決まった。両物件とも企業社宅を1棟ごと買い取り、コンバージョンしたものだ。
また、福岡の「アクアヴィラ香椎浜」は、昨年12月にサ高住として運営されていた物件そのものを買い取ったものだ。それまで数年間の運営でも稼働率は半分程度だった全201室の大規模物件。同グループが買い取った後は要介護者でも入居できるサービスなど、様々な付加価値を提供したという。健常者だけだったそれまでのターゲットが広がった結果、稼働率は87.5%まで上昇。年内には90%を達成できる見込みだ。 同グループでは、高齢者向け住宅の運営ノウハウをさらに積み上げることで、同事業そのものを伸ばすと共に、空室対策としての高齢者向け住宅プランの拡大も図る方針だ。

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